韓国随一のリゾート地として知られる
◆「自分の国がこんなに美しいとは」
新型コロナが広がってしばらくは、済州島の観光業も厳しかった。済州オルレの参加者は個人から団体まで多様だったが、団体客がほとんどいなくなった。
一方で、何度も訪れて済州オルレの全コースを歩く愛好家が増えた。海外旅行からシフトした若い世代から「自分の国がこんなに美しいとは知らなかった」という声を聞く。地域の再発見だ。
私はソウルで25年の記者生活に疲れ、スペイン・サンティアゴの巡礼路を訪れて感銘を受けた。でも自分が育った済州島の海辺はもっと美しいところだったと気付いた。そこに道をつなげれば、滞在型の観光ができるのではないかと考えた。
道に対する価値観は時代とともに変化している。観光客が地域に滞留してこそお金が落ちるが、車が速く移動できる道路を造って観光客が通り過ぎてしまう矛盾があった。ゴルフ場やカジノは地域に恩恵をもたらさない。
◆「ありのまま」が観光資源に
済州オルレの効果に関する住民の意識調査で、「自分の地域への誇りが生まれた」という回答が「観光所得が上がった」を上回って最多だった。観光業に直接携わる人でなくても、旅行者から「すてきな所に住んでいますね」と言われるとうれしい。旅行で重要なのは、人と食べ物。済州島のありのままの姿を見せることが観光資源になる。
オルレのブームが一段落していたところにコロナ禍が襲い、自然環境への意識が高まった。これからの旅行は自然を尊重し、共存する方向でなければいけないと地球がメッセージを送っていると思う。
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