
1月末に放送された民放テレビの経済番組の題目に思わずぎょっとした。「富士山噴火『Xデー』は?対策急ぐ!企業の最前線」―
トンガで起きた海底火山大噴火に便乗した特集で、どうせ眉唾ものだろうと高をくくっていたら、大企業が「Xデー」に向けて対策を講じる様子が紹介されていた。
山梨、静岡県境に位置し、標高3776メートルを誇る日本最高峰は、歴史資料によると、奈良時代末期の781年以降、大規模な噴火が少なくとも10回程度起きているという。最後の噴火は江戸時代の1707年に起きた「宝永噴火」。その後300年以上発生しておらず、いつ起きてもおかしくないというレベルに達しているらしい。
宝永噴火の49日前には南海トラフ巨大地震に当たる宝永地震が発生していた。南海トラフを震源とするマグニチュード8~9クラスの巨大地震の発生確率が30年以内に70~80%とされる現代では、地震と連動した噴火も懸念される。
本紙でも昨年4月、「猛威を秘める日本の象徴」という見出しの特集記事で噴火の可能性を紹介していた。その中で東大名誉教授の藤井敏嗣氏は「桜島(鹿児島県)に比べれば噴火の頻度は低く、活発でないと思われがちだが、たまたま静穏な時期にわれわれが生きているだけ」と指摘。「Xデー」に向けた備えの重要性を説いた。
富士山の噴火を想定して政府がまとめた報告書によると、...
<論説コラム風速計> 富士山が噴火? 自然災害への油断禁物 論説委員長・松村健次 - 山陰中央新報
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