農場管理手伝い 農業塾も受講へ
コロナ禍で自然栽培を志し脱サラして東京から羽咋市に移住してきた兵庫県宝塚市出身の竹本真司さん(40)は、自然栽培を広めるためJAはくい(羽咋市)が四月に開講する「のと里山農業塾」で、農場管理を手伝いながら農法の習得に当たる。アルバイトをしながらのゆとりのある生活ではないが、夢への一歩に「楽しみ。頑張りたい」と張り切っている。 (松村裕子)
農業は未経験。二〇一四年から二年間のバックパッカー中に訪れたブラジルの農場で、宿泊場所と食事の提供を受けて体験した農業が面白かったことなどから、自給自足に憧れ、「するなら自然栽培」と志した。まず会社勤めで資金を稼ごうとしたが、コロナ禍に見舞われた。担当していた両替業務は来日外国人の減少で仕事がなくなり、「やりがいがない」状態に。「東京にいても仕方ない」と、独り身の気軽さもありこの機に移住、就農を決断。インターネットでJAが自然栽培に取り組んでいると知った羽咋市に、縁もあてもない状態で昨年十一月に引っ越してきた。
情報収集をする中で知り合ったJA職員から「農場の管理を手伝いながら塾で自然栽培を学んではどうか」と持ち掛けられた。塾講師の広和仁(ひろかずひと)さん(40)=富山県氷見市=の不在時に水やりやわき芽取りなど日常管理を担う代わりに、無料で年間コースの塾を受講できる。広さんは、リンゴの自然栽培を始めベストセラー「奇跡のリンゴ」の主人公で知られる青森県の木村秋則さんから直接教えを受けた農家で、広さんが塾の準備で農場を訪れる際にも指導を受けられる。
生活費を稼ぐため、もみ殻の搬送やハウスの片付けなどJAのアルバイトも紹介してもらった。アルバイトとの両立は厳しいが、竹本さんは「農業は素人なので、頑張って覚えたい」と意欲を示す。将来は農地を借りて自分で栽培するだけでなく、「自分のように農業を学びたい人に宿泊場所と食事を用意して教える場がつくれたら」と夢を抱く。
広さんは「技術よりやる気が大事」と話し、JAの担当者は「将来的に農場管理と塾の運営を任せたい」と期待を込める。
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