あまみじかん 小野寺浩さん「自然と共生 奄美モデルを」[04/07 20:18]
「やくしまじかん、あまみじかん100人のメッセージ」、屋久島・奄美に関わる方々へのインタビューを通して、現代を生きる上での豊かさとは何かを考えます。
今回は、屋久島と奄美の世界自然遺産登録に携わった屋久島環境文化財団理事長の小野寺浩さんです。
(小野寺さん)「世界遺産は手段。保護だけでなくて、これで生活を豊かにするし、経済も回るし」
北海道・札幌市出身の小野寺浩さん(75)。1973年、当時の環境庁に入り、1990年から93年まで鹿児島県に出向。環境政策課長として、国内初となる屋久島の世界自然遺産登録へ道筋をつけました。
(土屋佳照知事※当時)「待ちに待った朗報が届いた」
環境省の自然環境局長に就いた2003年、奄美と沖縄は世界自然遺産の候補地に選ばれましたが、紆余曲折を経て登録が実現したのは去年の夏。18年後のことでした。「鹿児島の自然の価値を世界に認めてもらい、経済も豊かにしたい」という思いが実を結んだ瞬間でした。
(小野寺さん)「屋久島を世界遺産にする動きがなければ、世界遺産条約自体が締結されていない。それは完全に鹿児島県が頑張ったから。屋久島が登録されたときに、奄美と沖縄は絶対登録しなければだめだと思っていた。屋久島が登録されてからは約30年越しの悲願だったので。非常にうれしかった」
「世界で唯一の価値を有する自然地域を保護する目的」で登録される世界自然遺産は、現在218か所。日本では知床、白神山地、小笠原諸島、屋久島、奄美と、国内5か所のうち2つがある鹿児島は「世界的にみても特別な場所」だといいます。
(小野さん)「鹿児島は2つの自然遺産を持っている。ものすごい可能性がある。同じ県だから比較もできるし、力を合わせることもできる。これからどうやって連携していくか。こんな県はここだけ」
小野寺さんは世界自然遺産登録までの道のりを振り返り、未来への提言をまとめた本を出版。「自然と共生する奄美モデルを築いてほしい」との思いが込められています。
(小野寺さん)「自然は大事だと言っても、生活していかないといけない人にとっては『それは何だ』という話になる。でも自然を保護することによって、長い目で見たときに、生活も経済も豊かにしないとだめだと思う。使いながらうまく守る。その典型が奄美だと思う」
国内最後の可能性が高いといわれる奄美の世界自然遺産登録。小野寺さんは、日本が世界で独自の存在感を発揮してほしいと話します。
(小野寺さん)「これから発展しないといけないし、自然も保護しなければいけない。独特の日本型の自然の保護のしかた。そういうメッセージを世界に出していかないといけない」
「世界の宝」として認められた奄美の自然。その保全と利用をどう両立させていくか。新たな宿題が課せられています。
MBCニュース | あまみじかん 小野寺浩さん「自然と共生 奄美モデルを」 - MBC 南日本放送
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