自然に囲まれた立地で泊まり、家族や友人とバーベキューなどをしながら過ごす「グランピング施設」が伊勢志摩地域に相次いで整備されている。地元産食材の提供や愛犬を走らせられる「ドッグラン」、子ども用のプールなど施設ごとに個性があり、新型コロナウイルスの影響が続く中でも好調を維持。夏休みシーズンに向けて予約が埋まりつつある施設が目立つ。
(阿部竹虎、高橋信)
志摩市浜島町の「ネムリゾート」は四月下旬、森に囲まれた「ネムフォレストヴィラ」を開業した。「予想よりも多くの利用があり、高評価を得ている。『鳥の声で目覚めた』という宿泊者もおり、自然を満喫してくれているようだ」。三井不動産グループで、施設運営を担う伊勢志摩リゾートマネジメント(同市)の惣明福徳(そうみょうふくのり)取締役総支配人は手応えを語る。
木製のデッキを含む居室七十六平方メートルと五十平方メートルある専用の庭で一棟を構成し、計八棟ある。隣の棟との間隔は十三〜二十メートルで、気兼ねなく過ごせる。八棟のうち四棟は犬も滞在可能。デッキではバーベキューを楽しむことができ、予約すると伊勢エビやアワビ、鶏肉など地元産食材を盛り込んだメニューが用意される。
「グランドッグ伊勢賢島」(志摩市阿児町)は「伊勢志摩エリア初のプライベートドッグラン付きのグランピング施設」と銘打ち昨年七月に開業した。全四室に約百〜二百三十平方メートルの芝生があり、木製遊具や足洗い場、餌の受け皿なども備えている。英虞湾越しに賢島を望む景色も売りだ。
宿泊者には、事前予約でバーベキュー用の地元食材を用意する。犬の食事は獣医師が監修しており、松阪牛を含むメニューなどを家族とともに味わえる。運営は、コンサルティング事業で創業し、近隣の宿泊施設「グランドーム伊勢賢島」も手がけるシイエスピーク(大阪市)が担う。担当者は「根強い人気があり、今夏の予約も順調に推移している」と話す。
旅館の関連施設として二〇二〇年七月に開業した伊勢市二見町の「グランオーシャン伊勢志摩」は全十四棟から海を望める。普段は女性グループやカップルが主要な利用者層だが、夏は家族連れが増えるという。昨夏には、子ども向けに水深約六十センチの小型プールも開設した。
今年の七月中旬〜八月は、若干の空きはあるものの全棟がほぼ予約で埋まっているという。ただ、担当者は「従来は他者との接触を避けられる点で需要が高かったとみられる。新型コロナの影響が少しずつ落ち着く中、今後はどうなるか予想できない」と指摘する。
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