国際エコラベル「グリーンキー」認証を2009年に日本で初めて取得した温泉宿に出かけました。「どんなに小さなことでも、環境に良いと思われることは実行する」。今回の宿「扉温泉 明神館」（長野県松本市）が大切にしている取り組みです。90年以上前から地産地消を実践し、自家農場では生ごみをリサイクルして有機野菜を栽培。緑の渓谷へ飛び込むような露天風呂の温泉に浸り、ナチュラルリゾートのような部屋でくつろぐひと時は、心が安らぎ、自分自身のサイクルも整っていくような幸せを感じました。
【動画】半露天風呂の奥は立って入る深さの「立ち湯」になっている
■連載「楽しいひとり温泉」は、国内外の温泉をめぐり、温泉・自然・食で美しくなる旅を研究する筆者が、テーマごとにひとり温泉にぴったりなお宿を紹介します。
秘境の雰囲気漂う山道の先に
JR松本駅から送迎車でおよそ40分、市街地を見渡す山へと進み、最後は秘境感漂う山道へ。隠れ宿のようにひっそりとたたずむ今宵（こよい）の宿「明神館」へ到着です。重厚感のあるロビーから、どうぞこちらへと通されたパブリックラウンジは、シラカバ林の中にいるようなしつらえで、窓の向こうの森の中にいるような気分。ウェルカムドリンクは、自家栽培のミントが入ったノンアルコールモヒート。野性味あるミントの華やかな香りで暑さをすっと吹き飛ばしてくれました。
扉を開け、ナチュラルリゾートへ
しっとりと落ち着いた温泉旅館のテイストを残しつつ、宿はどんどん進化していました。改装されたラグジュアリー客室「然-白樺（しらかば）」は、海外のナチュラルリゾートのような雰囲気です。無垢（むく）材のフローリングに珪藻（けいそう）土や自然素材の壁が心地よい。
窓際は、ふんわりとした感触の「ごろ寝ソファ」。湯上がりに寝転んだら、あまりの気持ち良さに動けない。グランピングのような気分で過ごしました。
テレビの代わりに、アナログなレコードで音楽を。まわりに置かれた木のオブジェは、温かみのある音に反響させるための役割をするそうです。
部屋のテラスには専用の温泉露天風呂。湯船の部分には屋根がついているので、雨や雪、日差しもさえぎってくれて快適。泉質は、なめらかな肌触りのアルカリ性単純温泉で、pH9.2。ストレスによる自律神経の乱れをやさしく癒やしてくれる温泉です。
湯上がりは信州ぶどうのジュース。こんなグラスでいただくと、おいしさもひとしおです。
エコラベル宿で森の自然と一つに 長野「扉温泉 明神館」 - 朝日新聞デジタル
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