首都圏では自然食品系スーパーの出店が加速している。食品スーパー大手のライフコーポレーションが手掛ける「ビオラル」は、2020年末~22年にかけ、都内に3店舗を新規オープンした。オーガニック系スーパーでは後発ながら独自の商品開発力と品ぞろえで顧客拡大に奮闘中だ。
2022年5月、ライフコーポレーションが手掛ける「ビオラル」が、新宿マルイ本館地下1階にオープンした。「自然を感じるくらし、もっと身近に」をキャッチコピーに、有機栽培(オーガニック)食品や「健康にこだわった体にやさしい食品」を展開する。東京メトロ丸ノ内線・副都心線・都営新宿線の新宿三丁目駅すぐの店舗には、平日・週末共に20~40代の女性客が目立つ。
「オーガニック系スーパーにしては安い、そして品ぞろえがいい」。普段からオーガニック食品を購入しているという30代の女性客はこう語った。
ビオラルは16年6月、大阪市内に1号店となる「ビオラル靭(うつぼ)店」をオープンしている。大阪メトロ千日前線「阿波座」駅から徒歩1分の立地で開業した。その後、2号店を開くまでに4年半を費やした。
20年12月、2号店を開いたのは、東京都武蔵野市の丸井吉祥寺店1階だ。これが首都圏1号店となった。「駅前で多くの来店客が見込める丸井吉祥寺店。井の頭公園に抜ける道沿いにあり、立地も魅力的だったため、社内で出店を決意した」(ライフコーポレーションビオラル事業担当商品業務部の荻原敏文部長)。現在、売り上げは当初の予測の「1割増」(荻原氏)を計上しているという。
以降、ビオラルでは乗降客の多い「駅ナカ、駅前」という立地にこだわり出店を続けている。21年10月にはJR大阪駅に「ビオラルエキマルシェ大阪店」を、22年2月に下北沢駅前店を、5月に先の新宿マルイ店をオープンし、現在5店舗を展開する。
出店ペースを上げた理由に「16年とは明らかな環境の違いがある」と荻原氏は語る。新型コロナウイルス感染症流行の影響をきっかけにした健康志向の高まりだ。
21年以降に注目すると、ビオラル以外にも首都圏での自然食品系スーパーチェーンの開店が顕著になっている。日本レストランシステムの子会社、エフアンドエフシステム(東京・渋谷)が手掛ける「自然食品F&F」は7店舗、イオンと仏Marne & Finance Europe社が手掛ける「ビオセボン」も7店舗をオープンした。首都圏で約50店舗とトップの店舗数を抱える「こだわりや」も店舗数の増加を続けている。
こうした中、ビオラルは何を強みとしているのか。
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ライフの自然派スーパー「ビオラル」出店加速 後発ながら躍進 - 日経クロストレンド
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