手つかずの自然を色濃く残す青森県。三方を海で囲まれた地形や気候、十和田湖から流れる美しい水。自然がつくりだした風景を求めて、リンネル編集部が伺いました。
目次
【女子旅 青森県】奥入瀬渓流の自然に寄り添いながら深呼吸ができる宿
美しい自然と芸術家に愛された「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」
まず私たちは、国の特別名勝、天然記念物であり、国立公園の特別保護地区に指定されている奥入瀬渓流へ行くため、渓流沿いにある唯一のホテルへ。ロビーに入ってすぐ目を奪われたのは、この土地を眺望できる大きな窓。取材に行ったのは紅葉が見ごろの11月の上旬で、常緑樹を覆うように黄色や赤といった秋の色が私たちを迎えてくれました。
吹き抜けのラウンジには、この渓流を愛した岡本太郎さんが手掛けた巨大な暖炉が。寒くなるころには薪に火がともり、地元で作られたお酒やコーヒーを飲みながらゆっくりと日が落ちていく様子を眺めている人も。なにもしない贅沢、そんな豊かな時間を過ごすために。
暖炉でパチパチと小さな音を立てて燃えていく薪。心地よい音と、香り、炎のゆらめきを眺めながら過ごす至福の時間。窓の向こうで風にゆれる木々も相まって、空間の魅力に引き込まれます。
館内には岡本太郎さんの作品が点在
大暖炉「森の神話」。この土地で共存する植物、きのこ、人間がユニークに表現されています。ぎざぎざ歯のこの子は、虫なんだそう。
岡本さんのファンが多く訪れることから、ロビーには岡本さんに関する書籍も。彼の愛した景色の中で重ねる時間は、ファンにはたまらない!
西館には岡本さんの遺作となった暖炉「河神」がダイナミックに空間を彩ります。水の妖精・ニンフを描いたもので渓谷と妖精が楽しそうに共存している様子を表現。
渓谷を眺めながら過ごせる「紅葉ラウンジ」
八甲田山と奥入瀬渓流を一望できるテラス席。清流の音、鳥のさえずり、顔をかすめる冷たい空気。ただここでぼーっとしているだけで、多幸感を味わえる贅沢な空間です。冬のシーズンにはかまくらが用意され、防寒対策もバッチリ。この地の自然をイメージしたオリジナルドリンクを飲みながら、ほっと一息。
(右から)山紅葉、桂、羽団扇楓、黒文字、橅をイメージして作られたカクテル。中央のお菓子は紅葉をかたどったクッキーを添えた、パート ド フリュイ。
渓流を楽しむための、新しいスイートルームも誕生!
2022年12月16日(金)からは、客室温泉付きのスイートルームが提供開始されます。窓から見える景色を眺めながら、好きなだけ温泉を堪能。部屋は、土地の特徴をとらえたモダンなインテリアがセンスよく配置されています。「いつかこんなところに泊まってみたい!」(心の声)
館内のアクティビティにも注目を
河神の暖炉が位置するスペースでは毎夜ネイチャーガイドによる「森の学校」が開かれており、青森の気候、四季の移ろい、渓流にいる植物を窓に投影しながら丁寧に教えてくれます。奥入瀬渓流は約14kmほどあるので、ポイントを絞って巡るのがオススメ。季節ごとの楽しみ方を教えてもらえます。
幻想的な明かりを灯すのは、ひょうたんのライト。やさしくぼわんと光を通す性質を生かしています。
錐などを使い自分だけのデザインを作れます。壁に光の模様ができる様子も素敵。青森土産にぜひ。
待ちに待った奥入瀬渓流巡り「苔さんぽ」
青森と秋田の2県をまたぐ十和田湖から続く奥入瀬渓流。谷底にある地形のおかげで、梅雨の時期でも増水することがほとんどなく、渓流沿いの植物たちは健やかに歴史を重ねています。また、高い湿度のおかげで生き生きと育つ約300種類あるといわれる美しい苔もみどころのひとつに。
渓流沿いは一部遊歩道になっていて、初心者でも歩きやすい。冬には1メートル以上積雪して植物たちを乾燥から守ってくれるため、この土地の苔は「元気」なんだとか。積雪時期の散策には、雪の上を歩くために西洋かんじき「スノーシュー」もホテルに用意。雪の上を散策も面白そう!
苔を触って、なでて、ルーペでのぞいてみる
ふさふさとした苔の手触りにびっくり
ちょっと湿り気もあって、本物の動物を撫でているよう。「くるくるヘアー」「ちくちく坊主」など髪質で例えたくなる複数種類の苔が石や木の上に同居。
自然の中での小さな学び
ルーペでのぞくと苔の細部まで確認することができて「へ~!」な発見が続きました。ここには日常にはない小さな学びがたくさん。
散策で小腹がすいたら、近所のピザ屋さんでランチ
奥入瀬渓流ホテルから徒歩3分ほどのところにある、レストラン「オルトラーナ」。この時期のランチは地元野菜を贅沢に使った窯焼きピザと、サラダなどがあるビュッフェスタイルで、店前に行列ができてにぎわいを見せていました。写真は一番人気のピザ・オルトラーナ。野菜がたっぷりトッピングされた味わい深い一枚です。あとりんごとシナモンピザもおいしいので、ぜひ食べていただきたい! ※ビュッフェは4月下旬から11月中旬まで
新鮮な野菜がもりもり食べれるのもうれしい。サラダかぶや山芋など、火山灰を含む土壌で育った根菜類は、感動のしゃりしゃり触感! そのままで甘みがあっておいしかったです。
外にある釜で、クリスピータイプのピザを一枚一枚丁寧に焼き上げている。釜から出来上がったあつあつピザができるたびにお客さんが集まっていたのが、印象的でした。
<SHOP DATA>
オルトラーナ
青森県十和田市大字奥瀬宇栃久保11-253
TEL:0176-70-5955
営業時間:11:00〜15:30(L.O14:30)
定休日:無休(年末年始は休業)
【施設情報】
星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル
青森県十和田市大字奥瀬字栃久保231
TEL:050-3134-8094(星野リゾート予約センター)
チェックイン:15:00
チェックアウト:12:00
アクセス:JR八戸駅から車で約70分・青森駅から車で約120分
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/oirasekeiryu/
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photograph:Keiko Ichihara edit & text:Liniere.jp
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