Monica Humphries/Insider
- 筆者は冬のニュージーランドを訪れ、南島にあるジオデシックドームに滞在した。
- はじめは夜になったら広さ約40平方メートルの部屋で寒さに震えることになるのではないかと心配していた。
- 充実した設備とガス暖炉のおかげで、筆者はずっとここにいたいと思った。
ニュージーランドは世界有数の息をのむような自然の美を誇る国だ。2022年6月にニュージーランドを訪れた筆者は、魅力的な山々、豊かな森、澄んだ水などこの国の全てを満喫したいと思っていた。
ニュージーランドの夕焼け。
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ニュージーランドでは6月は冬にあたるとはいえ、筆者はアメリカのコロラド州デンバーにある自宅を離れ、ニュージーランドの景色をとことん楽しむつもりだった。自然と一体化した宿泊施設を予約しようと思ったのもそのためだ。
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そんな筆者が見つけたのが、ニュージーランド南島のオタゴ地方にあるクロス・ヒル・ロッジ・アンド・ドームズ(Cross Hill Lodge and Domes)だ。
「クロス・ヒル・ロッジ・アンド・ドームズ」。
Google Maps
Source: Cross Hill Lodge and Domes
ハウェア湖のほとりにあるこの宿泊施設では6つのジオデシックドームを貸し出していて、共有のロッジも1棟ある。
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筆者はこのジオデシックドームをAirbnbで見つけ、広さ約40平方メートルのドームを1泊250ドル(約3万3000円)で予約した。
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Source: Airbnb
ここへ行くには、車で1時間ほどかかった。道中、雪に覆われた美しい山々や凍った湖が見えた。
ハウェア湖。
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目的地に近付くと、木々の間から白いドームが見えてきた。
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車を出ると、凍えるような寒さだ。ちょっと不安になってきた。外側がプラスチックでできているドームは、壁がものすごく薄く見える。筆者は暖房がしっかり効くことを祈った。自然は楽しみたいけれど、寒さに震えながら夜を過ごしたくはなかった。
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とはいえ、返金はないし、後戻りはできない。施設の共有ロッジへ向かうと、施設を管理しているスティービーさんが出迎えてくれた。スティービーさんはソファやテレビ、宿泊客が無料で利用できるスイーツのコーナーなどがあるロッジを案内してくれた。
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それから筆者が泊まる「ドーム6」に向かった。
「ドーム6」の入口。
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ドームの中に入ると、筆者の不安は消えた。ヒートポンプのおかげでとても暖かいし、思っていたよりもかなり広々としていた。
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巨大マシュマロの中に入ったような気分だ。ドームを支える金属製の構造物は複数の布で覆われているので、室内はぽってりした見た目になっている。
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スリッパやバスローブも揃っている。
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ベッドはキングサイズだ。ベッドの前は透明なプラスチックのパネルになっていて、下部には低いカーテンがかけられていた。
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カーテンを開けると、目の前にはよく手入れされた庭や他のドーム、遠くの山々が見えた。窓際で外を眺めていると、ドームの下の方から冷たい風が入ってくるのを感じた。
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スティービーさんは、夜のドームは暖かいと話してくれた。暖房も入っているし、ガス暖炉もある。マットレスやバスルームの床にはヒーターが入っている。確かに、冷たい空気を感じたのは窓際に立っている時だけだった。
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ドームの中には、小さなテーブルとキッチンもあった。
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キッチンにはコップや皿、コーヒーマシン、牛乳とミネラルウォーターの入った小さな冷蔵庫など、短期滞在に必要なものは全て揃っている。
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キッチンの奥はバスルームだ。
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バスルームがドームの中にあるのは、ありがたい(以前、筆者が利用したAirbnbでは仮設トイレが離れにあった)。寒くて暗い中、部屋を出なくて済むのはうれしい。
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設備は細かいところまで充実している。部屋の中を歩くと、どこでも人感センサーの照明がつくし、バスルームにはタオルウォーマーが、キッチンにはミルクフォーマーもあった。
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設備、美しい景色、ふかふかのベッド… 筆者はもうどこにも行きたくなかった。スイーツをもらいにすら出たくない。マットレスのヒーターを入れてのんびりすることにした。まるで巨大な温熱パッドの上で横になっているようだった。
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筆者以外の宿泊客もやってきた。キャンプ用のテントと同じく、ドームは防音性にはさほど優れていない。夕食をどうするか、翌日は何をするか、話し合うカップルの声が聞こえた。
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もちろん、外からは筆者の姿も見えるし、音も聞こえるだろう。カーテンを開けて照明をつけていれば、ドームの近くを通った人には中の様子がばっちり見える。
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プライバシーが完全に保たれているとはいえないものの、筆者がこれまで泊まった大抵の場所よりも自然との一体感があった。鳥の鳴き声や雨の降る音を耳にして癒され、起伏のある山々を目にし、ロッジから漂う木の燃える匂いを感じた。
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夕食を済ませ、筆者はベッドへ。日が沈み、ドームの中は暖炉の火に照らされていた。そこで筆者は気付いた。ドームの大きな魅力の1つである「星」を忘れていた、と。
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星をよく見るために、暖炉の火を消した。プラスチックの透明な窓越しに、筆者は流れ星や星座を探した。
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ただ、それも長くは続かなかった。部屋の中にだんだん冷たい空気が入ってくるので、筆者は再び暖炉をつけて、眠りに落ちた。マットレスのヒーターも「強」、暖炉の火も「強」、室内の暖房設定は「22度」にしていたので、一晩中暖かかった。
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翌朝は赤々とした日の出とともに目が覚めた。
ベッドから見た日の出。
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ベッドを抜け出し、周辺の庭を散策してみた。
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薪をくべて使う露天風呂もあった。宿泊客は無料で使えるが、事前予約が必要だ。もう少し長くここに滞在するなら、筆者も予約しただろう。
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ロッジへ向かい、朝食(無料)を取る。他の宿泊客も集まってきた。目玉焼き、トースト、マッシュルームのシンプルな食事だ。
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お腹がいっぱいになった筆者は、ドームへ戻った。帰りたくない… パジャマを畳みながら、ここを自分の家にすることを夢見た。
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もちろん、寒さを感じる夜もあるだろう。それでも部屋の中と外がシームレスにつながっている場所での暮らしは、デンバーでの都会暮らしよりも筆者には合っている気がした。
筆者。
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もう帰りたくない! 冬のニュージーランドで自然と一体化できる透明ドームに泊まってみた - Business Insider Japan
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