秋の褒章の受章者が発表され、県内からは15人が選ばれた。農商工業などで模範となった人に贈られる黄綬褒章が3人、産業振興や公共の事務に尽力した人らが対象の藍綬褒章が12人。受章者に喜びの声を聞いた。(年齢は発令日の3日現在)
「受章を知ったときは驚きばかりでしたが、今は本当にうれしい」。20年余り、阿蘇の自然を守り続けてきた功績が評価された。
自然公園指導員は、環境省から委嘱を受け、国立公園の登山道の調査や希少生物の保護に取り組むボランティアだ。本業は消防士。2002年、勤務する阿蘇広域消防本部の先輩に誘われてこの道に入った。
少年時代から駆け巡ってきたふるさと阿蘇の山野が活動の舞台だ。登山中にけがをした人を無事に救助できたときは、「本当に良かった」とやりがいを感じる。
阿蘇市の中部消防署消防1課長として火災や災害時に出動する。その職務と自然公園指導員の役割は密接に関連しており、「どこまでが仕事でどこまでがボランティア活動なのか」と苦笑い。非番のときは積極的に山に登って地形や動植物を把握し、活動に生かしてきた。
「(キク科の)ヒゴタイは昔、いろいろなところにあったけど、今では特定の地にしかありません」と、動植物の生息環境の悪化に危機感を覚える。だからこそ「カルデラが育んだ雄大な阿蘇の自然をこれからも守り続けたい」。体が続く限り務めるつもりだ。(阿蘇市一の宮町宮地)
◆受章者の皆さん(敬称略)
◇…黄綬褒章…◇
北川和喜(73)北川天明堂会長 熊本市南区▽工藤伸(71)アバンス代表取締役 御船町▽松坂光治(60)松坂鉄筋工業代表取締役 合志市
◇…藍綬褒章…◇
石坂敏明(76)保護司 熊本市中央区▽尾池千佳子(56)県ビルメンテナンス協会長 熊本市中央区▽勝本映美(65)人権擁護委員 熊本市中央区▽坂田憲治(76)保護司 八代市▽澤村忠(52)宇城市消防団副団長 宇城市▽高田久美子(72)元調停委員 玉名市▽高日春幸=記事で紹介=▽中野富美子(74)民生・児童委員 人吉市▽本田雅晴(69)県酒造組合連合会長 山鹿市▽溝上貫三(75)元県少年警察ボランティア連絡協議会理事 水俣市▽吉永伯枝(76)保護司 熊本市西区▽米満美恵子(75)民生・児童委員 熊本市中央区
秋の褒章県内15人 阿蘇の自然守り20年 藍綬褒章 高日春幸さん 50 自然公園指導員 - 読売新聞オンライン
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