標高約1500メートルの山中にありながら、平らな地形と静寂な風景が広がる上高地(長野県松本市)の大正池を十数年ぶりに訪れて驚いた。かつて広々としていた池は小さくなり、風景の主役だった池の中の立ち枯れた木々はほとんどが失われてほとりに数本が残るだけだ。同じ場所で撮影した25年前と今の写真を比べると、景観や植生が大きく変化していることが分かる。
1952年に国の特別名勝と特別天然記念物に指定された上高地は、焼岳火山群の噴火でせき止められてできた大きな湖が、5000年以上かけて周辺の山から流入した大量の土砂に埋め立てられて生まれた。自然の摂理なので、山からの土砂流入は止めることはできない。その営みがよく分かる場所の一つが15(大正4)年の焼岳の噴火で梓川がせき止められて生まれた大正池で、毎年約1・8万立方メートルの土砂が流入し続けており、…
思い出埋まりゆく大正池 上高地、土砂流入は自然の摂理だが…… - 毎日新聞
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