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Monday, November 20, 2023

自然に還るプラ、需要急増の見通し 車部品やWiFiルーターも試作:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル

 車のダッシュボード、WiFiルーター、犬用リードの持ち手……。硬くて表面はなめらかな試作品の数々が並ぶ。普通のプラスチックに見えるが、自然界の微生物によって分解される「生分解性プラスチック」(生分解性プラ)だという。製造したベンチャー企業「アミカテラ」(東京都江東区)のオフィスを訪ねた。社名はラテン語で「地球に優しい」という意味だ。

 「これからは耐久性が求められる製品にも生分解性プラスチックは広がっていくはずです」。同社の増田厚司会長は自信をみせる。ダッシュボードやルーターはこれまで産業廃棄物として埋め立てや焼却処分されることが多かったという。

 同社の設立は2016年。社員数は30人ほどで、熊本県内で2工場が稼働する。植物繊維の粉末とデンプンを主原料に生分解性プラを作る技術で特許を取得。放置竹林で伐採した竹を加工し、製品の元となるペレットやストローを製造している。ペレットは従来のプラスチック成形機でも使えるという。

 原料には油脂分が少ない植物が最適といい、そば殻で作ったという試作品の器は茶色、ウコンの器は鮮やかな黄色、給食の残飯から動物性の食品を除いて作った器は灰色をしていた。

 5年間、高速道路のサービスエリアで使われた小皿も見せてもらったが、若干の使用感まで従来のプラスチックと変わらず、耐久性を感じさせた。今後はスーパーの調理場から出る野菜くずを原料にすることも検討しているという。

 生分解性プラに対する市場の関心の高まりを実感しているという増田さん。ここ数年でハウス食品伊藤園からの資金調達にもこぎつけた。「日本でもやっと追い風が吹いてきた」

生産能力は5年間で3倍以上になると予測

 生分解性プラは一般的な石油由来のプラスチックとは異なり、自然界の微生物の働きで水と二酸化炭素に分解され、自然に還(かえ)る。仮に回収されずに自然環境に流出した場合でも、環境汚染を抑えることができるため、農業用や園芸用の資材に使われてきた。

 原料の主流はトウモロコシや…

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