2030 SDGsで変える
生分解性のエコ洗剤や消毒剤などで知られるサラヤは、「世界の衛生・環境・健康の向上に貢献する」ことを掲げ、SDGsに沿った事業展開を積極的に進めています。更家悠介社長に聞きました。
――環境に配慮した製品づくりを先駆けてきましたが、「つまずき」もありましたね。
2004年に、パーム油の原料生産でボルネオ島の森林が破壊され、オランウータンやゾウの生息が脅かされていることを伝えるテレビ番組の取材を受けました。当時は洗剤の成分となる油を仕入れているだけだったので、「知らなかった」と答えました。それで多方面からお叱りを受けました。
猛勉強して現地に通う
――それが起点となり、日本から初めて「持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)」に参加、環境や人権への対応を後押ししてきました。
原料生産の課題を十分に把握せずに「自然派の洗剤」を作っていたことを、恥じ入りましたので。猛勉強して、現地にも通いました。パーム油は8割以上が食用のため、当社の買い手としての影響力には限りがあります。そのため小規模農家の支援になる買い方をするなど、工夫をしています。
マレーシア・サバ州ではNGOを通じて生物多様性の保全活動を進めています。農園開発で分断された森をつなげ直すために、特定製品の売り上げの1%を寄付する形で土地を買い足してきました。「緑の回廊」と呼ばれ、近くまとめて州政府に寄贈し、エコツーリズムにも役立ててもらう予定です。
――アフリカでも早くから事業を始めています。
ユニセフ(国連児童基金)による手洗い普及のプロジェクトに協力し、ウガンダに消毒液の工場を建設したのが14年です。今は隣国のケニアにも広げており、食品衛生事業も始めました。「顧みられない熱帯病」の一つであるスナノミ症の治療薬づくりも進めています。
――広範な取り組みは消費者から歓迎されていますか。
実は07年から始めたヤシノ…
「自然派の洗剤」と環境保全、ビジネスと「きれいごと」の両立目指す:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル
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