出荷できない実・葉茎も活用
羽咋市飯山町の農園で無農薬・無肥料の自然栽培に取り組む農家水野早乙美(さとみ)さん(39)のイチゴが、愛知県稲沢市のオーガニック化粧品会社「バナナ」の企画商品に活用される。イチゴに含まれる成分が美肌の形成に効果があるためで、洗顔料を想定し来春の商品化を目指す。通常は廃棄する虫食いで出荷できない果実や葉、茎などを活用するため、農産品の有効活用につながると期待されている。 (室木泰彦)
同社は全国各地で廃棄される物を環境に優しい化粧品として活用する試みを実践。「ToyLaBO(トイラボ)」のブランド名で商品展開する。福島県の老舗豆腐店の製造過程で出るしぼり汁からアミノ成分を抽出しハンドクリームにしたり、熊本県の耕作放棄地を再生し作られた甘夏を除菌スプレーに活用したり。他にも結婚式場で役割を終えた花を回収し美容、芳香成分に再利用するなど、環境保全と地域活性化を意識したSDGs(エスディージーズ)(持続可能な開発目標)に沿った商品開発に力を入れている。
今回は社員が偶然、動画投稿サイト「ユーチューブ」で水野さんが自然栽培するイチゴの存在を知ったのがきっかけ。豊かな自然の能登の恵みをより無駄なく利用し尽くそうと商品化を提案。これまで捨てていた出荷できない実も活用できるため水野さんも歓迎した。
六月二十五日、同社の吉原一将社長(37)と商品企画・開発担当の境綾子さんが農園を訪問。水野さんから栽培状況の説明を受け、試食しながらイチゴの味、葉や茎の生育状況を確認した。加工場や冷凍庫も見学し、商品化に向けた打ち合わせもした。イチゴに含まれるポリフェノールが肌の代謝を促進、植物が紫外線から身を守るため蓄える天然色素アントシアニンがコラーゲン育成を活性化させる効果が期待できるという。
吉原社長は「イチゴは化粧品の素材として多用されているわけでないが、肌に優しい成分など可能性を感じる。洗顔を想定し、イチゴのどの部分をより有効に使えるか、精査と研究を詰めていきたい」と話し、能登の自然の魅力発信や地域活性化につなげたい考えを示した。
水野さんは東京から移住し、農業を始めて五年、イチゴは四年目になる。現在イチゴは農園で五百株ほどだが、今後は苗の販売もできるよう、より生育に適した山地の斜面での栽培などを検討し、品質向上を目指す。今回の商品化に「虫食いも有効活用できると聞いて願ったりかなったり。どんな商品になるか楽しみ」と話した。
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能登の恵み 美容にひと肌 水野さん自然栽培 イチゴで洗顔料 - 中日新聞
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