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Wednesday, August 4, 2021

大自然でいのちと向き合う 絵本作家・田島征三さん - 産経ニュース

「つかまえた」で第68回産経児童出版文化賞の美術賞を受賞した絵本作家の田島征三=13日、東京都三鷹市下連雀の「ぎゃらりー由芽」(酒巻俊介撮影)
「つかまえた」で第68回産経児童出版文化賞の美術賞を受賞した絵本作家の田島征三=13日、東京都三鷹市下連雀の「ぎゃらりー由芽」(酒巻俊介撮影)

大自然で過ごした少年時代の体験をモチーフにした絵本『つかまえた』で、今年の産経児童出版文化賞美術賞を受賞した絵本作家の田島征三さん(81)が第56回ENEOS児童文化賞に輝いた。骨太な躍動感あふれるタッチで「いのちと向き合う」作品を描いてきた田島さん。80代、創作意欲はますます盛んだ。

「賞をいただくのはもちろんうれしいですよ。特に産経(児童出版文化賞)は『美術賞』というのが、すごくうれしかった。僕の絵を『芸術』として評価してくださったのだから」

絵本作家としてのスタンスは、いささかユニーク。何しろ、「子供に向けて」絵(本)を描いたことは一度もない、と言うのだから。付け加えるならば「大人に向けて」でも「特定の層に」でもない。

「僕は、自分が満足できる絵を描く。単に子供が喜ぶだろう、これは売れるだろう、と作った絵本に誰が感動するでしょうか? それはニセモノですよ。僕の本は、あまり売れないけれど、誰かの心に響いている、一生をつかみ取っている自信があります」

多摩美大時代、商業デザイナーの卵として大手広告代理店の仕事をしたことがある。クライアントから依頼された広告のイラストレーションを描いたら、「これはウチの会社の宣伝じゃない。あなた自身の宣伝だ」と怒られたことに腹を立て、3日で辞めた。「たぶん向こうの言い分が正しい。でも僕は誰かのため、おカネのために描くのはイヤだと思ったのです」

絵本作家になってからも当初は「芸術家ぶっている」「(絵が)汚らしい」などと酷評された。ところが、昭和42年に描いた絵本『ちからたろう』が子供たちに人気を呼んで火がつき、外国の著名な賞を受賞すると、たちまち出版社から注文が殺到する。

結局、意に沿わぬ仕事もしなくてはならなくなり44年、すべての仕事を断り、東京西郊の日の出村(当時)へ移住。里山で農耕生活をしながら絵を描く生活に入った。

信念に妥協しない生き方は、サラリーマンらには、うらやましく映る。「おカネがなくて栄養失調で死にかけたこともありますよ」と苦笑いしながらも、後悔の様子はない。

田島さんの絵に通底するテーマは「いのちと向き合う」だ。幼少期を過ごした高知での原体験。山や川で鳥や魚、カエルなどを捕まえたり、食べたり。「野生の動物の生命力は強い。いのちと格闘する体験は、セクシュアルでもあり、猟奇的でもありましたね」。日の出村へ移住してから「いのちと向き合う」思いは一層強くなった。ヤギやチャボを飼い、田畑を耕し、山を歩いてキノコや木の実を採る。そこに「生と死」があり、それを頂いて生きる、また絵に描く…。

1冊の絵本に何年もかけることが多い。新型コロナ禍で講演や展覧会がキャンセルになった一方、アトリエに籠もり「集中的に描くことができた」という。「とにかく描きたくてしようがないんですよ。もうちょっと体力があれば、って思うんだけどね」(喜多由浩)

たしま・せいぞう 昭和15(1940)年、大阪府出身、幼少期を高知県で過ごす。多摩美大卒。42年、絵本『ちからたろう』を制作。44年から東京西郊の里山で農耕生活を続けながら絵本制作を行い、『ふきまんぶく』『とべバッタ』『オオカミのおうさま』などで各絵本賞を受賞。令和3年、『つかまえた』で産経児童出版文化賞美術賞を受賞した。

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