生態系における“リセットボタン”
なぜこのような誤った方向に進んでしまったのか。それをひも解く前に、ヨーロッパ人が北米大陸の西側に侵攻する以前の山火事と森林の関係を理解するとわかりやすい。 歴史を振り返ると、山火事は生態系におけるリセットボタンのような働きをしていた。まず、雷を伴う嵐がやってきて低木や草地に火を放つと、森林の低木層から火災が広がる。これは乾燥したカリフォルニアの森林地帯にとって、なくてはならない現象だった。多雨林とは異なり、枯れた植物が微生物に分解されることがないからだ。 こうして、放置すれば地面をブランケットのように覆って植物の成長を阻む枯れた植物を取り除ける、というわけである。 また、草食動物が好む栄養価の高い植物を新たに育む場所も生みだした。そして新たに生えた木の実が熊の餌になり、新たな草地が鹿などの動物の餌になり、生えてきた野草は受粉する昆虫の餌になった。 「シカのように頻繁に移動する有蹄動物の多くは、火災で焼けた土地と焼けていない土地が隣り合った広大な区域を好みます」と、ワシントン大学の森林生物学者デイヴ・ピーターソンは言う。「こうすれば新たな餌にありつけますし、隠れ場所にもなるからです」。ここで言う隠れ場所とは、焼け残った枝葉のことだ。
自然に有益だったはずの山火事は、こうして「地球の脅威」へと変化した(WIRED.jp) - Yahoo!ニュース
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