
KYT鹿児島読売テレビ
奄美や徳之島が世界自然遺産に登録され注目される中、同じ世界自然遺産の屋久島で、観光客などのある行為が問題となっている。今月撮影された観光客らしき人物が、サルにエサを与える行為。屋久島の生態系にも影響を与えかねない、深刻な問題だ。 今月18日、世界自然遺産エリアである屋久島の西部林道で撮影された映像。レンタカーの窓から、道路脇のサルに向かって何かを投げている。写真には、バナナを食べるサルの姿が。撮影したのは地元観光協会の関係者だ。 屋久島観光協会理事の渡辺太郎さんは「皮をむいて思いっきり食べていた」と当時の様子を振り返った。偶然、不審な動きをするレンタカーを発見し、バナナを与える瞬間を目撃したという。渡辺さんは「レンタカーに横付けして、餌付けをしないでくださいと注意したが、うるせーなくらいに思っていたのかなという感じ」と話した。その後、悪びれる様子もなく立ち去ったという。 世界自然遺産の島、屋久島。島の固有種であるヤクシマザルやヤクシカは、自然豊かな森でのんびりと暮らしている。 しかし、島では観光客とみられる人たちが、果物やお菓子などを与える行為が後を絶たないという。今年に入ってからも数件の報告や情報が環境省などに寄せられている。 屋久島自然保護官事務所の丸之内美恵子さんは「通常は、山にある木の実やキノコなど自然に森にあるものを食べている。人の食べ物に慣れてしまうと、人を襲って威嚇して食べものを奪うとか、危害を加えてまで食べ物をとろうとすることもある」と話した。 人の物を食べたサルへの健康被害も心配され、さらには屋久島の森の生態系にも影響が出ると懸念されている。丸之内さんは「サルが木の実を運んで別の場所で食べて捨てるとか、糞などで木の実が別の場所で育つということもあるので、森を作る構成員でもある。サルの生活だけではなく、屋久島の森自体への影響も心配が出てくる」と話した。 屋久島町では、エサやりを禁止する罰則つきの条例があり、注意喚起の看板も設置している。また、地元の観光業界なども日本語と外国語で注意喚起している。 丸之内さんは「屋久島の自然は、沖縄や奄美が最近、世界自然遺産に登録されたように、世界に誇れる自然。自分たちの行動が生き物のバランスを崩してしまうこともあるので、自然に興味を持って行動していただければ」と話した。 奄美・徳之島の世界自然遺産への登録もあり、改めて注目を集めている鹿児島の美しい自然。そこに生きるものを守るために、一人一人の行動を改めて見直さなければならない。
“世界自然遺産”屋久島の悲鳴 “サルにエサやらないで!”(KYT鹿児島読売テレビ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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