福島県の只見柳津県立自然公園と、同県立自然公園周辺の只見川下流部~阿賀川の区域などは29日、福島、新潟両県にまたがる越後三山只見国定公園に編入された。同日、同県立自然公園の指定解除が県報に、越後三山只見国定公園の変更が官報に告示された。
喜多方、只見、西会津、柳津、三島、金山の6市町にまたがる只見柳津県立自然公園と、只見川下流部~阿賀川(喜多方市、会津坂下町)の河川区域など計1万6766ヘクタール。区域内には絶景として知られる第1只見川橋りょう展望台周辺(三島町)、「会津のマッターホルン」と呼ばれる蒲生岳(只見町)などがある。
越後三山只見国定公園の総面積は10万2895ヘクタール(県内は5万431ヘクタール)となった。全国に57ある国定公園のうち、北海道の日高山脈襟裳国定公園の10万3447ヘクタールに次いで2番目に広い。
只見柳津県立自然公園の指定解除に伴い、県内の自然公園は越後三山只見国定公園の他、磐梯朝日、尾瀬、日光の3国立公園、10の県立自然公園となった。
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今回編入された区域のうち最も面積の広い金山町の押部源二郎町長は「奥会津地域の知名度を高める大切な機会。自然を体感、満喫できるような取り組みを進めたい」とし、「関係市町村と連携し、来年に控えるJR只見線全線再開通の盛り上がりにもつなげたい」とコメントした。
■”会津のマッターホルン”蒲生岳、観光誘客に期待
国定公園に編入された福島県只見町の蒲生岳(標高828メートル)で登山道整備のボランティアなどに長年携わっている同町の馬場新介さん(76)は「観光面のプラスは大きい」と喜んだ。
蒲生岳は急峻(きゅうしゅん)な岩山で、アルプス山脈のスイスとイタリアの国境にあるマッターホルンと同様に切り立った形から登山家の故田部井淳子さん(三春町出身)が「会津のマッターホルン」と名付けた。馬場さんによると、平常時は年間約3000人の登山客が訪れていたが、新型コロナウイルスの感染拡大などで激減。昨年度は500人程度だったという。
国定公園編入によって、「『管理が行き届いている』と安心する登山者が増えるはず」と見込み、「観光客数の回復につながればうれしい」と期待を込めた。
柳津町のJR会津柳津駅も国定公園に編入された。来年JR只見線の全線再開通が予定されており、町地域振興課観光商工係長の土橋諭さん(40)は「駅の利活用促進に向けても大きな弾みになる」と先を見据えた。
只見柳津県立自然公園と只見川下流部、国定公園に編入 福島 | 福島民報 - 福島民報
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