にぎわい創出へ 「護る会」が作製
中能登町の国史跡「石動山」の豊かな自然をPRしようと、住民有志の団体「能登國(のどのくに) 石動山を護(まも)る会」は動画や散策マップなどを作った。同会事務局次長の大平みさとさん(56)は、観光資源としての活用に向け「歴史だけでなく、豊かな自然も知ってもらいたい。魅力を発信してにぎわいづくりにつなげたい」と未来を見据える。 (大野沙羅)石動山地内は県営の能登歴史公園にもなっている。ブナ林(ばやし)は山頂付近には総面積約十五ヘクタールが分布し、能登最大規模。ブナは落ち葉が堆積すると微生物により、養分を多く含んだ土壌に変化する。この土壌に蓄えられた雨水などが川へ流れ、田畑や海を豊かにし、生物多様性を支えている。
動画は「石動山 森と水の物語〜すべては一滴の水から」と題し、約三分間で森が育む水の重要性を伝える。十一月初旬にドローンなどで紅葉がきれいな山内や白山修験者(しゅげんじゃ)による立山遥拝所(ようはいじょ)での祈禱(きとう)、広大なブナ林などを撮影した。神秘的な美しい自然の映像が流れ、山の水が富山湾までつながる自然の循環を修験者が説明している。
マップはA4サイズの三つ折りで、石動山全体をイラストで紹介。山頂付近にある伊須流岐比古(いするぎひこ)神社や大御前(おおごぜん)までの散策ルートを示し、森や里、川、海の水のつながりを説明している。他にも鳥のさえずりに似た音が鳴るバードコールを製作。長さ約十センチの木材にねじ込んだボルトの摩擦によって音が出る仕組みで、締めたり緩めたりすると「キュキュ」という高い音が出て、野鳥観察で使えるようにした。
企画は昨年から始め、今年十一月下旬ごろ完成。動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開し、マップは二百部、バードコールは五十個用意した。マップは山でガイドをする際に配布する予定。七尾市や同町の観光振興に取り組む「ななお・なかのとDMO」が支援した。
企画に関わった大平さんは二〇〇九年に同町久江(くえ)に移住し、ガイドを務めるなどして山の魅力を発信してきた。ところが、借家の立ち退きで来年三月に故郷の千葉県流山市に戻ることになった。大平さんにとって集大成ともいえる企画で「自然教育の場や地域の観光資源としてにぎわい創出のためにもツールが役立てられてほしい。少しでも恩返しになれば」と願う。
◇石動山を紹介する動画はこちらから==
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