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Thursday, March 17, 2022

ハート形の葉カタバミ 汚れた銅貨 ピッカピカに【もっと自然遊び ちょこっとラボ⑫】|あなたの静岡新聞 - あなたの静岡新聞

 道端でけなげに生きる雑草の中でも、カタバミは小さくてかわいらしいハート形の葉が子どもたちに人気です。外遊びで喉が渇いた時にハートの葉を1、2枚口に入れると、お菓子のラムネのような酸味があって、唾液が出てさっぱりします。「道草を食う」草の一つですが、他にも不思議な魅力満載です。

カタバミやスイバの葉っぱで10円玉をこすって、輝きをよみがえらせよう
カタバミやスイバの葉っぱで10円玉をこすって、輝きをよみがえらせよう
カタバミやスイバの葉っぱで10円玉をこすって、輝きをよみがえらせよう

 タンポポやチューリップなどの花は朝夕に開閉する就眠運動をしますが、カタバミは花だけでなく、夜には3枚の葉が垂れて小さく畳まれ、夜露や寒さから守ります。カタバミと混同されることの多いクローバー(シロツメクサ)も就眠しますが、葉を跳ね上げた寝姿です。種類によって寝相が違うのが愉快だね。
 みんながもっと驚くカタバミの魔法のような力は、汚れた10円玉をピッカピカによみがえらせることです。銅貨は人の手から手へ繰り返し移動する間に手汗が付き、空気中の酸素によって酸化し、色あせていきます。酸化銅(さび)は洗剤でいくら洗っても取れませんが、酸の働きによる化学反応で容易に溶けます。カタバミの葉は虫などから身を守るためにシュウ酸という酸性の物質を獲得していて、葉でこすることで10円玉は劇的な光沢を見せてくれます。
 春先に野山に芽生えるスイバやイタドリにも、シュウ酸が含まれていて同じ遊びができます。かむと酸味が強いのでスカンポと呼ばれる野草は、早春の若葉が鮮やかな赤色で印象的です。赤い葉っぱになるカタバミもありますが、草食の虫などに対して酸っぱい(まずい)ことを伝える警告色だと考えられます。昔の子どもはスカンポの刺激的な味を楽しみ、お菓子代わりに口にしましたが、食べ過ぎるとおなかが緩くなってしまうので要注意です。
 子ども以外にも、カタバミを食べる生き物がいます。ヤマトシジミという里で最もよく見られるチョウの赤ちゃんです。シュウ酸に対する解毒作用を持っていて、カタバミを独占して食べるのです。ヤマトシジミは葉っぱの裏側に小さな丸い卵を産み付けます。卵からはい出た幼虫が、この葉を専ら食べて育つのです。路傍の草のしたたかな生きざまは面白いね。
 <山田辰美/常葉大名誉教授=藤枝市、イラストも筆者>

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