東孝司
葉っぱビジネスやゼロ・ウェイスト（ごみ）宣言で知られる徳島県上勝町の自然や人々の営みを、徳島ゆかりの写真家・大杉隼平さん（39）=東京都在住=が1年近くかけて撮り続けてきた。その作品を集めた写真展「KAMIKATSU」が、28日に上勝町ゼロ・ウェイストセンターで始まる。
俳優だった父の故・漣さんの古里の徳島で近年、撮影活動をしている大杉さん。昨夏からは上勝町を月に3日ほど訪れてきたが、きっかけは町の良さをアピールしたいという町職員からの依頼だった。「町民のため、子どもたちのため、という言葉に心を動かされた」
四季折々の自然や農作業にいそしむ人の姿などを撮りためた。「つまもの会社の『いろどり』の農家さんを始め、みんな元気で、パワーを感じた」。作為的な撮影を一切せず、ありのままを伝えようと絶えず意識してきたという。
約100点の作品を収める額はすべて一点ものだ。自然木や建具の廃材などを活用し、展示会のために地元に依頼して作り上げた。写真を飾る木枠の向こうに、豊かな森の緑を見ることができるような仕掛けもしている。会場に流す音楽は、上勝の自然の音を編曲したものだ。
地元開催に先立ち、東京・代官山でも5月初めに作品を展示した。「上勝に行ってみたいという人が多かった。ぜひ多くの人に上勝の良さを五感で感じてもらいたい」
展示は6月5日まで。入場無料。大杉さんは期間中在廊。トークショーなどの関連イベントもある。詳細は町ホームページや同センターのフェイスブックで。（東孝司）
徳島・上勝の自然や営みを撮影 大杉隼平さんの写真展 28日から - 朝日新聞デジタル
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