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Friday, June 24, 2022

耕さず 稲に成長を任せ 研修生「自然とつながりを」 - 中日新聞


 田んぼの教室の教師役である「なべちゃん農場」の研修生たちが珍しい米づくりに挑んでいる。その名も「不耕起(ふこうき)栽培」。土を耕さずに稲を育てるという。今月十八日に田植えを行ったが、どんな栽培法なのか、興味が尽きないので、準備段階から参加してみた。

 場所は、教室がある南砺市綱掛よりも奥深い小院瀬見(こいんぜみ)。数年前から耕作が行われていない棚田の中の四アールほどの田んぼ。最初に訪れた五月初めは雑草が伸び放題のやぶ状態だった。なべちゃん農場の渡辺吉一さんいわく、「イノシシの運動場」。このためまずは草刈りが大仕事で、生まれて初めて、小さなエンジンで動かす草刈り機も使って除草をお手伝いした。

 水はずっと張ったままだが、耕さないので底は高い所もあれば低い所も。田植えは水を多少抜いて行ったが、細かな雑草が生えていてもそのまま植えていくのがこの手法のやり方。苗は種もみをこの春、近くの畑にまいて何も手をかけずに生えてきたもの。雑草がついたまま手に取り、稲の苗だけを指で取り出しながら田んぼの土に手で穴を開けて植え込んだ。

 今後も農薬や化学肥料、除草剤を使わず、稲の生命力に任せて成長させていくが、初めて挑戦するなべちゃん農場研修生、松本千尋さん、國本紗季さん、実は大切な思いを込めている。

 二人は、これからを生きていく人に何をつないでいけるか、をテーマに昨春から小院瀬見でフィールド活動を続けている。共感する人たちに呼び掛けての体験プロジェクトの一つとして企画したのが不耕起栽培。「人間、だれでも食糧を作ることに関わること、そのきっかけを作ることが大切。だから可能な限り手作業の米づくりをしたかった」と松本さん。

 もち米の苗を植えた十八日は賛同した十人ほどが参加した。もちろんみんな初体験。稲苗なのか雑草なのかを見分けることから悪戦苦闘した。二十二日には、別の場所にある田んぼで、コシヒカリの苗を同じように植えた。「食べ物を通じて自分、人、自然のつながりを感じてほしい。一緒に体験し、身近に考える場所と機会をつくりたい」。そんな願いを込めて二人はフィールド活動への参加者を募っている。関心のある人は、Facebook「Honey&Cotton」で検索。 (中島健二)

【メモ】不耕起栽培の米づくり 田んぼの土を耕さずに稲苗を植えて育て、収穫する農法。収穫後も稲の株をそのまま残して稲わらやもみ殻などをまき、一般的には冬の間も水を入れたままにすることで、土の力が強くなるという。日本でも取り組まれているがメリットもデメリットもあるとされ、まだ少ない。

  ◇

 南砺市の「なべちゃん農場」が今春、開講した「田んぼの教室」に記者が入学。現場からの報告を随時掲載します。

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