安比の自然で名門教育
英「ハロウ」日本初開校
全寮制 12か国・地域から入学
英国のチャーチル元首相やインド初代首相のネールらが学んだ英国名門パブリックスクール「ハロウスクール」の日本校「ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン(ハロウ安比校)」が29日、八幡平市の安比高原に開校した。マイケル・ファーリー校長は「生徒個々に安比の環境を生かした教育を提供していく」と意気込む。海外校はタイや中国に次ぐ10校目で、日本校は初めて。
ハロウ安比校は全寮制で、これまでに、日本のほか、中国や韓国、東南アジアなど計12か国・地域から11~15歳の生徒約180人が入学した。28日の入学式には、保護者らも含めた約500人が出席した。
生徒らは自己紹介や校内見学の後、さっそく教室で各教科の教師から今後の授業の説明を受けたという。最初の1週間は、学校生活に慣れるための研修を行い、来週から本格的な授業に入る予定だ。
450年の歴史を持つハロウスクールの伝統教育を高原の大自然の中で受けられるのが特徴で、生徒の希望や特性に応じた個別の学習プログラムと寮生活を通じ、国際的に活躍できるリーダーの育成を目指す。
東京ドーム約2個分にあたる約10万平方メートルの敷地内には、校舎や寮、図書・食堂棟など計8棟があり、ジムや屋内プールなどを備える。周辺にはスキー場やゴルフ場が立地し、生徒も授業の一環で利用する。年間授業料は、849万~927万円。
安比高原を「国際リゾート都市」へ進化させる構想を掲げる岩手ホテルアンドリゾート(盛岡市)が誘致に動き、日本への進出を検討していたハロウが高原の自然環境を評価し、2019年に同社と事業提携を結んだ。誘致に携わった同社のペニー・ルオ都市計画事業未来開発本部長は「学校もまちづくりも、ようやくスタートラインに立った。定住人口1万人の達成に向け、一歩一歩進んでいきたい」と語った。
教師陣も、高原の自然環境を生かした授業を検討している。生物担当のダビーナ・パテルさん(38)は「動物や昆虫と触れ合いながら、気候変動の問題や自然保護を学んでもらいたい」と意気込む。将来的に11~18歳の約900人の受け入れを目指しているといい、ファーリー校長は「大きな挑戦だったが、数々の課題を乗り越えて開校できた。地元企業や施設など、外部と交流できる授業を考えたい」と語った。
県は同校の運営支援として、今年度を含めた5年間は毎年1億6400万円を拠出する予定で、県地域振興室の増沢亨特命課長は「安比校の卒業生が世界で活躍することで、岩手の価値が世界で評価されるよう期待したい」と述べた。
安比の自然で名門教育 - 読売新聞オンライン
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