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Tuesday, August 16, 2022

自然な話し言葉でロボットを操作 Googleが基盤技術 - 日本経済新聞

【シリコンバレー=奥平和行】米グーグルは16日、自然な話し言葉で家庭用ロボットを操作するための基盤技術を開発したと発表した。開発を進めている汎用性が高い人工知能(AI)を使い、ロボットが利用者の意図を理解して適切な行動をとる能力を高めた。注力分野に据えるAIの活用する場面を広げる。

グーグルの親会社である米アルファベットから分離・独立した米エブリデー・ロボットと協力し、「PaLM-SayCan」と呼ぶ技術を開発した。グーグルが2022年4月に発表した自然な話し言葉による対話が可能なAIを活用し、エブリデー・ロボットの家庭用ロボットを操作できる。

技術の発達によりAIは自然な受け答えが可能になったが、ロボットに応用する際は実際の利用状況や機器の性能を考慮に入れる必要がある。PaLM-SayCanはAIで利用者の意図を推定するのと同時に、複数の候補からロボットの可能な行動を選定。双方を組み合わせ、適切な行動をとれる確率を高めた。

グーグルは16日までに米カリフォルニア州のロボット開発拠点を一部メディアに公開し、開発中の技術を紹介した。「おなかが空いた」と話しかけると、ロボットが台所のカウンターに並んだ飲料や食品の中からポテトチップを選んで運んだり、飲み物をこぼしたと言うと空になった缶を捨てて掃除用のスポンジを持ってきたりする様子を披露した。

あわせて、卓球の相手をするロボットなども紹介した。グーグルの研究者は7月、卓球をできるロボットの性能が向上し、人と340回のラリーが可能になったとツイッターで説明している。また、多関節ロボットのアームの先に網状の装置をつけ、飛んできたロボットをキャッチする様子も見せた。

グーグルはスマートフォンの基本ソフト(OS)「アンドロイド」の生みの親であるアンディ・ルービン氏のもとで2010年代前半、ロボット事業への本格的な参入を目指した経緯がある。4足歩行の犬型ロボットを手がける米ボストン・ダイナミクスや東大発のSCHAFT(シャフト)などを相次いで買収し、事業の基盤とすることを狙った。

ただ、ルービン氏が14年に退社したのを機に、ボストン・ダイナミクスを売却するなど事業を見直した。一方、アルファベットの子会社で、長期的な視点で新規事業の育成を担うX(エックス)を通じてロボットの研究を続け、エブリデー・ロボットや産業用ロボットの制御ソフトを手がける米イントリンシックなどを立ち上げている。

グーグルの特別研究員でロボット開発を率いるビンセント・バンホーク氏は日本経済新聞などの取材に答え、今後のロボット関連の開発について「ハードウエアではなく、より課題の多い知能(に関連するソフト)に注力する」と説明した。同社幹部はPaLM-SayCanの開発成果の一部を無償公開し、開発を加速させる考えも示した。

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