弘前中央高校自然科学部が、優れた文化部活動をたたえる2022年度の「県高校文化部活動奨励賞」に輝いた。今年度は同部の活動再開から部を支えてきた3年生の活躍が目覚ましく、県統計グラフコンクールの県知事賞をはじめ県内外のコンクールで受賞を果たしている。3年の藤田燿(ひかる)部長は「部員同士の質疑や対話がそれぞれの研究を高め合い、受賞につながった」と喜んだ。
休部状態だった同部は2020年4月、現在の3年生10人が入部して再始動した。今年度は1~3年生42人が所属し、身近なことをテーマに日々研究に励んでいる。
3年の小野奈々子さん、佐藤望愛留(のえる)さん、柴田匠美さん、小林七海さんは、皮をむいたリンゴの変色を防ぐ物質の探索を研究テーマにした。小野さんは「塩水につける方法もあるが、変色を防ぎながら、健康にもつなげていきたいと思った」と話す。4人は1年の冬から実験を続け、普通の食塩と比べ、減塩された塩により効果があることなどが分かった。研究は今年度、県統計グラフコンクールの県知事賞をはじめ、東京家政大学生活創造コンクールの優秀賞などを受賞した。小野さんと佐藤さんは「4人で協力したから受賞することができた」と笑顔を見せた。
さらに、4人は津軽海峡を回遊するイルカの生態についても研究。専門家の話を聞くなどしてまとめた「青森県にいるかっているんか?」は、北海道大学大学院水産科学研究院の「海の宝アカデミックコンテスト」のマリンカルチャー部門で北海道・東北ブロック優秀賞を受賞した。
3年の中居佑太さんは、同校で年間約100キロを廃棄するチョークの粉の活用法を研究。主成分の炭酸カルシウムが金属イオンを吸着する働きがあることを発見し、主成分が同じホタテやシジミの貝殻でも実験を行った。焼成処理をすると吸着率が上がることを突き止めた研究で、第17回高校環境化学奨励賞を受賞。海の宝アカデミックコンテストでは、マリンサイエンス部門で北海道・東北ブロック最優秀賞に輝き、11月5日に函館市で行われる全国大会に出場する。中居さんは「粘り強く続けた研究が評価されてうれしい。(研究の)集大成となる全国大会で、最優秀賞を目指して頑張る」と意気込みを語った。
【写真説明】県内外のコンクールでの受賞に喜ぶ自然科学部の3年生部員と顧問の柴田教諭(後列右端)
弘中央高自然科学部が県文化部奨励賞 by 陸奥新報 - 陸奥新報
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