メダカの販売などを通じて障害者の雇用や社会進出を進める企業「めだかやドットコム」(東京都八王子市)が、小型水槽「めだか盆栽」の高高度気球による成層圏打ち上げを成功させ、1日、都内で報告会見を開いた。同社の青木崇浩(たかひろ)代表(46)が28年間、温めてきた夢で「福祉作業所の利用者みんなの夢ものせることができた」と喜びを語った。(松島京太)
気球に載せたのは、青木さんが特許を取得し、同社などで働く障害者の収入源となっている自然浄化型水槽「めだか盆栽」と、自作の曲「MEDAKANOUTA」が流れる音響機器、撮影用カメラなど。成層圏は氷点下になるため、水槽にメダカと水は入れず、水草のみにした。十月十五日午前十時ごろ、新潟県阿賀町から打ち上げ、衛星利用測位システム(GPS)で行方を追った。
直後は順調だったものの、気球は想定より高い高度三十四キロまで上昇。福島県南相馬市沖の海上で回収する計画だったが、高度十五キロまで下降したところで行方不明に。海上で待機する漁船を呼び戻し、「クラウドファンディングに協力してくれた人たちに謝るしかない」と諦めかけたところ、GPSが同県二本松市の木幡山(こはたやま)で反応を示した。
スタッフ十数人と一時間以上、山中を捜索すると、茂みの中から「MEDAKANOUTA」のメロディーが聞こえてきた。発見した瞬間、青木さんは「利用者のみんなが喜ぶだろうな」と感極まったという。
青木さんは「福祉は何でもできるんだと、今後も発信していきたい」と意気込む。打ち上げに合わせ今月末まで、クラウドファンディングで寄付を募集中。
打ち上げの動画は後日、ユーチューブの同社のチャンネルでの公開を検討している。
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