小鳥たちのさえずりが響きわたる、のどかな山麓。この場所で生まれ育った大塚千恵子さん(45・吉野川市出身)と夫の大塚康弘さん(39・阿波市出身)、友人の服部優さん(42・鳴門市出身)の3人が中心となり、情熱をかけた一大プロジェクトが始動している。「この豊かな自然を活かし、人と自然が一体になって循環していける空間を作りたい」。コツコツ続ける開拓作業と並行して、4月1日、現状がついにお披露目された。緑に囲まれたキャンプスペースと農業体験ができる畑を備えた「愛楽友ふぁーむ ちえの森」。まだ未完のためプレオープンとし、週末のみキャンプ泊とデイユースを受け入れる。
大塚ファミリーと服部さんはもともと休みの日に一緒にバーべキューを楽しむ間柄。空き家になっていた千恵子さんの実家の庭に毎週集まるようになり、せっかく集まるならきれいにしようと不要物の撤去や掃除をするようになったのが始まり。「誰も住まなくなって放置された土地を守っていくために、何かに生かしていきたいと思っていたんです」と千恵子さん。「キャンプ場にできるんじゃない?」と冗談半分で話していたことが、“本気”に変わるまで時間はかからなかった。一昨年の8月に土地を引き継ぐ意志を伝え、ノコギリとナタを持って竹藪に分け入り、開拓に乗り出した。本職は美容師の千恵子さん。「突然持つハサミが変わって、みんなに何が起きたん!?って驚かれました」と心底楽しそうに笑う。服部さんは約14年間勤めた保険業のキャリアを手放し、大塚夫妻と新しい夢に一直線に向かう。
作業は業者には頼らず、自分たちで手掛ける。「ゴールが決まってないから頼めないし、そもそも頼むつもりもないんです。どうする?こんなんしてみる?ってアイデアを出しながら日々変わっていく。それぞれ個性が強いんで意見がぶつかることも多いですけど(笑)」。友人、知人、子どもたち、美容のお客さんなど、各地から応援に駆けつけてくれる。ユンボで土地を均してくれたり、軽トラを寄贈してくれたり、木の板を分けてくれたり。「いろんな方々の応援のおかげで成り立っています。土地の問題とか大きな壁もありましたけど、周りのみなさんに助けていただいて乗り越えることができました」と千恵子さんは目を細める。
プレオープンで公開されたキャンプ農場エリアは約1800坪。入口には幾何学模様に組んだアーティスティックな薪置き場が連なり、ワクワク感が掻き立てられる。これはアーティストとして活動する夫の康弘さんが手掛けたもの。その向こうには、車の乗り入れ可能な広大なキャンプエリアが広がる。ハンモックが揺れる木の下にはドーナツ型の畑があり、農業体験が楽しめる。斜面にはイチゴが植えられ、5月頃には収穫体験ができる見込み。農業用倉庫の隣りには「服部さんの独学DIY作品第1号」というドラム缶風呂と五右衛門風呂がある。切り出した竹や解体した実家の建具などをフル活用した趣深い露天風呂だ。「子どもが山を自由に駆け回れるように」と、フィールドを囲む森に遊歩道も通した。今後、カフェスペースやアトリエ、ワークショップ、心と体のトータルケアなど様々なコンテンツを計画中。「ゆくゆくは子どもたちの学びの場にもしていきたい! 自然に触れることで、子どもが子どもに戻り、その姿を見て親も変わる。内に眠っていたものが目覚めだすような、いろんなきっかけの場に育てていきたいと思っています」。溢れ出す構想を語り合い、一歩ずつカタチにしていく。
利用可能日時
宿泊=金曜、土曜のみ。チェックイン13:00~、チェックアウト翌10:00
デイユース=土曜、日曜のみ。10:00~17:00
料金
入場料=大人1000円、小中学生500円、未就学児無料、ペット無料
宿泊料=1テントごとに3000円
デイユース=1グループ 2000円
※宿泊・デイユースとも1グループ15名まで。16名以上は貸切にて対応。
貸切=宿泊5万円、デイユース4万円、イベントユース要相談
五右衛門風呂&ドラム缶風呂=1グループ1000円(1回2時間/風呂焚きセルフ、薪代込み)
薪=1ケース1000円
愛楽友(あいらくゆう)ふぁーむ ちえの森
徳島県吉野川市鴨島町山路2007-1
営業日=金土日のみ営業
完全予約制
予約は利用希望日の1カ月前より受付。InstagramのDM、facebook messenger、または電話にて。
問い合わせ=090-1575-8909(服部さん/電話受付10:00~17:00)
駐車場:あり
トイレ:あり
Wi-Fi:なし
プレオープン:2023年4月1日
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