県内各地や岐阜県飛騨地方で活動する押し花のインストラクターとその生徒たちでつくる「富山苺押花俱楽部(くらぶ)」。郷土の豊かな自然を押し花にし、その魅力を広く伝える。
俱楽部は、編み物やミシンなど手作り作品の販売や講師の育成などを手がける富山市婦中町の「アトリエHONDA」が約三十年前に押し花の講師の育成講座を始めたのをきっかけに発足した。俱楽部代表の本多章彦さん(75)は「一番感動するのは、自然の物を相手にするカルチャーだということ。これからの時代はこういう文化が必要だ」と思ったという。
俱楽部では、各講師がそれぞれ教室を開いて押し花の美しい作り方を教えているほか、体験会なども実施。特に高齢者施設では「施設で種から花を育て、押し花にして、押し花を絵手紙にできる」と喜ばれるという。子どもたちにも人気で、砺波市で毎年開かれる「となみチューリップフェア」では大勢の子どもたちが参加してくれるという。
押し花に使う植物は自身が育てたものもあれば、自宅近くを散策したり県内の川辺や山などへ出向いて採取したり。「これからもっと高齢者が増えていくが、散歩しながら花を探すことで運動になる」と話し、妻の淑美さん(74)も「手先を動かすことは認知症予防にもつながる」。子どもから高齢者まで愛好家の輪を広げていきたい考えだ。
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俱楽部のメンバーが押し花を絵の具のようにして作った「押花アート」百三十点が並ぶ作品展が二十五日まで、富山市の富山市民プラザで開かれている。キャベツの葉を山に見立てた風景画や、大輪の花束を額縁に収めたような作品のほか、絵の具などを使わずにすべて押し花で描いた「富嶽三十六景」など、個性豊かな作品が並ぶ。
NHK朝ドラ「らんまん」のモデルとなった植物学者牧野富太郎が作った植物標本(東京都立大学牧野標本館所蔵)八点の特別展示もある。入場無料。午後四時まで。 (西村理紗)
富山苺押花俱楽部 メンバーは200人以上で、多くは60~70代。2年に1度俱楽部で集まり、大規模な作品展を富山市の富山市民プラザで開いている。今年の作品展には、40~90代の130人が力作を出品した。
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