大谷麻由美 毎日新聞 東京本社地方部
日本はいろんな自然災害が起こる国です。地震、津波、噴火、暴風、豪雨、豪雪、洪水、地滑り、熱波といった自然現象(ハザード)が、さまざまな被害を引き起こします。
「災害」というと、自然現象の恐ろしさに注目しがちです。しかし、自然現象がどれほどの大きさの被害を引き起こすかは、被災者の「防災力」によって変わります。以前に地震研究の専門家に取材した時、「自然現象の強さ」と「被害の度合い」は必ずしも同じように大きくなるわけではないと教わりました。被害を抑えたり、軽くしたりするために普段からの備えを十分に行っていると、被害の度合いを小さくできて、早くに復旧・復興できます。
災害への備えを考える時に、「自助(一人一人の役割)」「共助(地域の役割)」「公助(行政の役割)」の三つの要素を効果的に組み合わせる必要があります。今の時代、国は防災・減災についても公助を少し小さくする方針ではありますが、公の観測データや防災の情報をたくさん提供することで、自助や共助を支えています。
私が最近、取材した国立研究開発法人・防災科学技術研究所(防災科研)=茨城県つくば市=は、防災・減災の高度な科学技術をイノベーションする機関です。皆さんにも役立つ地域の情報をウェブで公開しています。
「気象・地震のたった今を知る」(https://www.bosai.go.jp/activity_special/realtime_hazard.html)では「浸水発生危険度」や「土砂災害危険度」、雨や風、雷の今の状況などを地図で見ることができます。「防災クロスビュー」(https://xview.bosai.go.jp/)では、さまざまな組織の持っている情報を集約・統合した記録を見ることができます。この中にある「大雨のまれさ情報」は、観測された降水量がその地域にとって「何年に1度」といった考え方で、どのくらい珍しかったかを示しています。皆さんも防災力を高めるために活用してみてください。
中国の北京と上海、台湾の台北で計8年、特派員でした。日本では新潟、山形、仙台の支局で、おいしいお酒や食べ物に出合えたのが一番の思い出。ホヤが大好き。1968年愛知県名古屋市生まれ。
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NEWSの窓:まち 自然災害に備えるには 公の情報活用で防災力向上 - 毎日新聞
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