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Saturday, October 28, 2023

<最高峰に学ぶ 富士山自然誌研究会>菅原久夫会長「明日への道」 感性を育み心豊かに:東京新聞 TOKYO Web - 東京新聞

豊かな自然にあふれる富士山

豊かな自然にあふれる富士山

 昨年12月にスタートし、毎月2回掲載してきた「最高峰に学ぶ」は今回で最終回。富士山自然誌研究会の菅原久夫会長(79)が豊かな富士山の自然への思いをつづります。

 富士山はわが国が誇る最高峰の秀麗な火山である。その富士山をフィールドに本研究会は「本からではなく、自然から学ぶ」(Study Nature not Books)をモットーに調査・研究を続けて27年を迎えた。各分野の研究者、市民が共に学び続けてきた任意のグループである。

多数出版されている「富士山自然シリーズ」

多数出版されている「富士山自然シリーズ」

 研究会で実践してきたことは各分野の研究者が「富士山の自然の今」を研究し続け、各分野が互いの成果を総合的、生態的にとらえ、その記録と活動を次世代に引き継ぐことである。各分野には地質、植生、植物、哺乳類、昆虫、蝶(ちょう)類、蟻(あり)類、鳥類などがある。

 さらに研究者に限らず、子どもから大人まで富士山の自然に関心を持つ方々とともに自然に触れながら、学ぶことを主に歩み続けてきた。

 その活動は、定例で行われる調査会とその研究成果をもとに観察会やセミナーを行い、小冊子「富士山自然シリーズ」や「植物の富士登山」などを発行し、研究雑誌や新聞、テレビ、ラジオ、インターネットなどのメディアによる広報活動なども挙げることができる。

 一般市民参加の観察会、学校での富士山学習、講演を通しての活動も行っている。これらの活動を通して参加し、共に学ぶ方々の協力はうれしい。会員は約60人である。

 社会が急速に変革し、ITやAI(人工知能)の時代である。私たちの活動も時代の変革とともに、活動を続けていくことが望まれている。

 どのように世の中が変化しようとも、私たちはこの地で生き、感性を育み、この自然とともに歩み続けることは欠かせない。

菅原久夫会長

菅原久夫会長

 私はアメリカの海洋生物学者、レイチェル・カーソンの「センス・オブ・ワンダー」(The Sense of Wonder 1965)をよく思い出す。それは「美しいもの、未知なもの、神秘的なものに目をみはる感性」を意味し、「自然に触れあっていこう」と呼びかけている。「知る」ことは「感じること」の半分も重要でないという。レイチェルは「地球の美しさと神秘さを感じ取れる人は、科学者であろうとなかろうと、人生に飽きて疲れきったり、孤独に苛(さいな)まれることは決してないでしょう」と言う。

 富士山の自然に抱かれながら、自然から学ぶことの楽しみ、森に、草原に、火山荒原に、風のそよぎに、季節ごと全ての自然の見事さに心魅(ひ)かれ、その豊かさを感じながら、これからも歩み続けたいと考えている。

 富士山が「世界文化遺産」に登録され、自然を土台に文化が育まれ、わが国を代表する山であることを誇りに、次世代に豊かな富士山の自然を引き継ぎたい。

 富士山の自然が豊かであることが、私たちが心豊かに生きる最も大切な道なのだから。=終わり

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