昨年12月23日、消費者庁が一斉に発表した行政処分は、自然界の微生物によって分解される生分解性プラスチック(生分解性プラ)の業界に波紋を広げた。
処分を受けたのは、レジ袋や使い捨てのカップ、釣りの疑似餌、エアガン用のBB弾などを販売する10社。いずれも商品のパッケージやウェブサイトに「自然環境で使い捨てされても完全に分解される」という趣旨の表記をしていた。
消費者庁は、各社が提出した資料が表記の根拠として不十分だったため、実際の性能よりも優れたように見せかけたと判断。景品表示法違反(優良誤認)にあたるとして、再発防止などを求めた。同庁の担当者は「環境への配慮をアピールする宣伝文句は誤認表示が起こりやすい。一斉に行政処分に踏み切ることでグリーンウォッシュ(見せかけの環境配慮)への監視を強化する姿勢を示したかった」と話す。
行政処分を受けたある会社の社長は「分かりやすく生分解を伝えようとしたが、社内でのチェックがおろそかになった」と振り返った。指摘を受けた製品はいずれも堆肥(たいひ)中では分解されるが、自然環境では分解されにくい生分解性プラのポリ乳酸を使っていたという。
当初は分解される環境について正確に表記していたが売れ行きが悪かったため、「消費者に伝わっていないと思い、分かりやすい表記に変えた」。行政処分後は「生分解」ではなく、「環境にやさしい」という言葉を使っているという。
世界中で強まるグリーンウォッシュ対策
環境保護意識が社会全体で高まるにつれて、グリーンウォッシュへの批判は高まっている。地球環境が危機にあるなか、見せかけの配慮が横行すれば、意味のある対策が取られるのが遅れたり、効果的な取り組みにいくはずのお金が無駄になったりする。環境に配慮した商品の信頼そのものも揺らがせることになりかねない。
規制への動きも始まっている…
「環境にやさしい」は説明不足? 自然に還るプラの広告に厳しい視線:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル
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