人は亡くなると、星になる-。室町時代の1492年に創建された瑞華院(ずいけいん)の全個室納骨堂「了聞(りょうもん)」(東京都港区南麻布5)が、葬祭関連事業「SPACE NTK」(茨城県つくば市)と提携し、遺骨を宇宙空間に打ち上げる「宇宙葬」の提供を始めた。同社によると、納骨堂が宇宙葬の取り扱いを始めるのは国内で初めて。樹木葬や海洋散骨に代表される自然葬の新たな選択肢として注目されている。(奥村圭吾)
人やペットの遺骨を入れたアルミ製カプセルを人工衛星「MAGOKORO号」に載せて、米スペースX社のロケット「ファルコン9」で打ち上げる。人工衛星は500キロほど離れた地球の軌道を数年周回した後、大気圏に突入する。燃えて流れ星になるため、宇宙ごみは生じない。
宇宙散骨の金額は、遺骨の量に応じて、小さな卵サイズの少量から全骨まで55万~770万円(税込み)。直近では来年10月の打ち上げを予定している。
埋葬のルールを巡っては、国は墓地、埋葬等に関する法律で「埋葬または焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に行ってはならない」と定める。だが、宇宙葬を含む自然葬などについては、葬送の一つとして節度をもって行われる限り、「遺骨遺棄罪には当たらない」といった見解を示している。
数年前から宇宙葬に関心を持ってきた瑞華院の福井威人(いじん)住職は「いつでも、どこでも空を見上げれば、故人のことを思うことができる。いつも見守ってくれているという気持ちになれる」と話す。
「SPACE NTK」の葛西智子社長は「子どものころからの『亡くなったら星になりたい』という思いを形にできた。今後、宇宙葬が当たり前の選択肢として広がっていってほしい」と期待する。申し込み、問い合わせは、瑞華院=電0120(1492)08=へ。
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