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Thursday, January 18, 2024

世界GDPの50%超が自然資本に依存…「生物多様性の喪失」に立ち向かうスタートアップにVCら注目 - Business Insider Japan

出発点としての問題測定

生物多様性の報告は、正確な基礎データがあるかどうかにかかっている。アセスメントでは、地元の公園、水中、住宅候補地などで、小さな微生物から大型動物までを追跡する手作業を繰り返す。

生物多様性のデータや分析に関するスタートアップであるピボタル(Pivotal)の共同創業者であるゾーイ・バルムフォース(Zoe Balmforth)は次のように語る。

「ある時点、特定の場所で見たもの聞いたもののスナップショットを撮ります。これを例えば1年後、さらに1年後と繰り返していって比較するんです。すると統計的に、その範囲内での変化が分かるようになるわけです」

ベリンジア(Beringea)のシニア・インベストメント・アソシエイトであるピョートル・ブカンスキー(Piotr Bukański)によれば、現地のデータの収集には費用がかかり難度も高く、それを必要とする企業はやり方を知らないのだという。それゆえにスタートアップがそのギャップを埋める余地はあるとブカンスキーは見ている。

炭素の足跡をたどる生物多様性

ピッチブック(PitchBook)のデータによれば、生物多様性の喪失に取り組んでいるスタートアップの資金調達ラウンドは、世界的に見て2018年以降着実に増加しており、2023年は69件でピークとなった。投資額にはばらつきがある。

ベンチャーキャピタリストは、それまでの数年間における急激な増加に続いて2022年にはこの新興セクターに過去最高となる4億6300万ドル(約670億円)を投じた。だが2023年にはその半分の2億1200万ドル(約320億円)にまで落ち込んだ。

この業界にいち早く乗り出した企業は、生物多様性の喪失に対してさまざまなアプローチを採用してきた。ピボタル、ベースキャンプ・リサーチ(Basecamp Research)、ネイチャー・メトリクス(Nature Metrics)、デンドラ・システムズ(Dendra Systems)といったスタートアップはVCの支援を受け、生物多様性のナレッジグラフから、土地の修復や種まき用のドローン、AI活用まで、あらゆる分野に取り組んでいる。

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ポルトガルのアゾレス諸島でサンプルを採取するベースキャンプ・リサーチのスタッフ。

Basecamp Research

一方、新しいツールや既存のツールは、企業が自社の影響を追跡・レポートするのに役立ててもらおうと作られたツールも新旧登場している。これがパズルの2つ目のピースだ。

例えば、フランスのカーボンマネジメント企業であるスイープ(Sweep)は、生物多様性を含む持続可能性データをモニタするオールインワン・プラットフォームとなることを目指している。同社のラシェル・デラクール(Rachel Delacour)CEOは次のように語る。

「生態系に及ぼす影響といったデータを追跡、管理するためのユニバーサルな測定基準を見出すのは、容易ではありません」

しかし、気候関連の規制によってその土台が作られ、透明性と信頼性が向上することで、環境と企業、双方の長期的な存続可能性のためになる、とデラクールは話す。

生物多様性のデータを正しく取得する難易度はさらに上がるだろうが、「われわれには気候に関するデータやレポートによって得られたインフラとしてのレールがあるので、発達曲線はより急速なものとなっていくでしょう」とベリンジアのブカンスキーは言う。

自然の法的義務

フランスでは法律により、金融機関は生物多様性の影響を監視、レポート、低減することを義務づけられている。「これはヨーロッパの他の地域にどのような影響を与えるかを示す一例です」とブカンスキーは言う。

2023年、自然関連財務情報開示タスクフォース(The Taskforce on Nature-Related Financial Disclosure)は、企業や金融機関がどのようにしてその影響を報告すべきか記した自主的なフレームワークを発表した。一方、EU森林破壊防止規則(EU Deforestation Regulation)が施行されたことにより、サプライチェーンにおける企業の説明責任のあり方も変わる。

イギリスでも、都市開発業者は生物多様性にプラスの影響を与えなければならないという要件が加わった。こうした要件が達成不可能なときのために生物多様性のクレジット市場が法定化されたが、これは最後の手段であるべきだ。

これまで長らく、自然に対して資金を振り向ける手段としてより広範な生物多様性クレジットが売り込まれてきた。これは、CO2排出量を相殺するためにCO2排出削減量を売買できるカーボンクレジット市場のようなものだ。

ノルスケンのフライマンをはじめとする投資家は、このコンセプトに関心を寄せている。投資家たちはより大きなリターンや影響をもたらす可能性のある投資先として、巨大な問題と対処可能な市場を求めているのだ。現段階では、真の機会がどこにあるかは不明であり、より多くのビジネスモデルのイノベーションが求められている、とフライマンは語る。

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