Rechercher dans ce blog

Sunday, February 18, 2024

<ひと物語>自然観察園で園児育む 所沢文化幼稚園理事長・梅沢好文さん:東京新聞 TOKYO Web - 東京新聞

著書を手にする梅沢好文さん。後ろは国蝶オオムラサキの飼育ドーム=所沢市で

著書を手にする梅沢好文さん。後ろは国蝶オオムラサキの飼育ドーム=所沢市で

 豊かな自然があふれる埼玉県所沢市荒幡の丘陵地。アニメ映画「となりのトトロ」の舞台の一つとされ、サツキとメイがお祈りしたといわれる祠(ほこら)や、猫バスの停留所とされる一角もある。

 「たくさんの方の聖地になってもおかしくないこの場所で、園児教育に携われることを誇りに思う」。学校法人所沢文化幼稚園の梅沢好文理事長(62)が相好を崩した。

 梅沢さんが「園の宝」ととらえているのが「自然観察園」だ。先代の父定彦さん(90)が隣接地で約40年前から整備してきた約7千平方メートルの敷地では、自然林が枝を広げ、昆虫が動き回り、小川で魚が遊ぶ。あちこちに配置された遊具は、木や縄など自然素材を多用して林の風景に溶け込んでいる。1996年には国蝶オオムラサキの飼育ドームも設置された。

 「『見て、触れて、感動体験』という私たちの体験型保育の象徴。将来の社会を担う子どもたちに対する父の思いが凝縮された自然観察園を、どう活用して進化させるかという責務を私は負っている」

 観察園での体験を、園児の帰宅後にも生かせないか-。梅沢さんが着想したのが「かんさつえんカルタ」。読み札の表面は園内の植物や生きものの写真だ。例えば「けむしさん へんしんじょうずで ちょうやがに」。実体験して興味津々の園児たちは、あっという間に固有名詞と平仮名を覚えてしまうという。

自然観察園のせせらぎで魚を捕まえようとする園児たち

自然観察園のせせらぎで魚を捕まえようとする園児たち

 一方で、定彦さんの代には見られなかった「今日的な子どもたちへの対応」に直面するようになった。

 「便利な世の中に対応して子どもの体が変わり、平坦な道を普通に歩いても転んだり、バスの階段から降りられなかったりするなどの異変が起きている」

 このままでは、園児教育の柱と位置付ける自然観察園で、園児が思う存分遊べなくなるかもしれない。さまざまな重心修正プログラムと、園児をその気にさせる声掛けなどで対応したという。

 「人間は必要と思う事しか受け入れない。それは子どもだって同じです」

 例えば、「背中を真っすぐにすると(君の大好きな)サッカーがうまくなるよ」と声掛けする。2週間後、数人の年長児が「見て、速く走れるようになったよ」と声を弾ませた。そのとき、「私たちの仕事は子どもを変えることができる」と確信した。今では子どもたちのけがが9割減少し、自然観察園で元気に遊べるようになっている。

 「幼稚園は人づくり。自分自身の感性に自信を持つ人に育て、街づくりに貢献したい」と先を見据えた。(加藤木信夫)

<うめざわ・よしふみ> 1961年、所沢市生まれ。明星大心理教育学科教育学専修。父定彦さんの後を継ぎ、2011年、市内で幼稚園4、認定こども園2、保育園2を運営する学校法人所沢文化幼稚園の3代目理事長就任。市私立幼稚園協会会長などを歴任。昨年6月、自著「四季彩の杜(もり) 所沢文化幼稚園の自然観察園」を出版。


関連キーワード



おすすめ情報

Adblock test (Why?)


<ひと物語>自然観察園で園児育む 所沢文化幼稚園理事長・梅沢好文さん:東京新聞 TOKYO Web - 東京新聞
Read More

No comments:

Post a Comment

THE SPELLBOUND小林祐介と中野雅之、大自然をひたすら歩き進む(動画あり) - 音楽ナタリー

[unable to retrieve full-text content] THE SPELLBOUND小林祐介と中野雅之、大自然をひたすら歩き進む(動画あり)    音楽ナタリー THE SPELLBOUND小林祐介と中野雅之、大自然をひたすら歩き進む(動画あり) - 音...