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Thursday, May 23, 2024

【秘蔵写真公開!】自然を愛するラジオパーソナリティー鉄崎幹人がじっくり語った「60年の自然史」|静岡新聞 ... - @S[アットエス] by 静岡新聞

60歳を機に、愛する生き物や自然について今伝えたいこと

SBSラジオ「鉄崎幹人のWASABI」のパーソナリティー鉄崎さんがこのほど、1964年5月13日の誕生日から60年の節目、「還暦」を迎えました。鉄崎さんとSBSアナウンサー堀葵衣が「自然」という観点から、この60年をふり返りました。

「愛・地球博」インタープリター(森の案内人)を務める鉄崎幹人さん。

高度経済成長期に生まれ、環境汚染の時代も経験

鉄崎:僕が生まれた1964年は、1つ前の「東京五輪」が開催され、東海道新幹線が開通しました。つまり、高度経済成長が始まった年なんです。田中角栄首相が「日本列島改造論」を打ち出し、「日本を世界に通用する経済力豊かな国にしよう」と一生懸命な時代だったんです。逆に言うと、いろいろなものが破壊され、埋め立てられた「スクラップ&ビルド」の時代。今思うと、それが自分の中で反動になって、「何かを守りたい」と思うようになったのかもしれません。

堀:うんうん。

鉄崎:だけど僕が小学校の頃は、まだまだ生き物がいっぱいいましたね。川は汚物が流されてゴミだらけで真っ白。当時のゴジラ映画には「ヘドラ」っていうヘドロの怪獣がいたしね。それくらい日本中が「公害だ! 環境汚染だ! 赤潮だ!」 っていうニュースで溢れていた。だけど、生き物は今よりよっぽど多かったですね。

たくさんの生き物や自然と触れ合った少年時代

鉄崎:小学生の頃は名古屋市の覚王山にある日泰寺周辺が遊び場でした。お寺の下にあった姫ヶ池は「殺生せずにこの池に逃がしてくださいね」っていう放生池(ほうじょういけ)で、ライギョやナマズ、ザリガニ、フナ、コイ、水生昆虫など、めちゃくちゃ生き物がいっぱいいる“生物多様性空間”だったの。そこでザリガニ釣りなど、いろんなことをして遊んでました。

大好きだった池の埋め立てに大ショック

鉄崎:すぐ横にザリガニの餌になるスルメが買える駄菓子屋があったんだけど、そこで初めておばあちゃんの立ちションを見て。あれは衝撃的だったな〜。

堀:(絶句)…。へぇ〜…、すごい光景…。

鉄崎:近くには城山神社もあって、カブトムシやカナブンが群れでいたんだけど、6年生のある日突然、「姫ヶ池は埋め立てます」って看板が立って。それがすごくショックだったなぁ。結局、遊び場がなくなりました。余談だけど、当時は小学生でもライターや爆竹を普通に持っていたから、アリの巣を見つけたら爆竹で片っ端から爆破していくのが大好きでしたね。

堀:そうなんだ…。ワイルドな時代ですね…。

鉄崎:当時ゲームがなくて、遊び相手は命あるものばっかり。いろんな生き物と遊んでいたから後になって「可哀想なことをしたな」って後悔の念が生まれて…。それが生き物に対する慈悲の心に結びついていったのかなぁと思います。

バブル崩壊を機に自然派タレント目指し猛勉強

鉄崎:時が経って青春時代は「ネイチャー」より「ネエちゃん」に行く時代もありました。

堀:まぁ、そうなりますよね。

鉄崎:だけど結婚して子供ができたら、やっぱりこう昔を思い出して自分の子供と昔の自分をリンクさせたりしてね。「あの自然豊かな遊び場はもう残ってないんだ…」とか、残っていても生き物が全くいなくなっていることに気がつくわけ。やっぱり大事なものは未来に残さなきゃいかんなとの思いが強くなりました。

ちょうどバブルがはじけて仕事もほぼなくなった時だったので、「自然派タレント」になろうと思いました。図鑑を読みまくって、名古屋にあるNPOの環境団体に入って、毎回フィールドワークに参加して、片っ端から体験と勉強をしました。

「愛・地球博」で森の案内人

鉄崎:でも当時は、環境保護や動植物のことが仕事になるなんて誰も思わない時代だったので、「食っていけないでしょ」ってよく言われました。そんな時、2005年に「愛・地球博」が“環境万博”として開催されたんですね。この頃から時代は変わってきたなと思いました。「安けりゃ売れる」から「環境にいいモノ、負荷をかけないモノじゃないと売れない」時代に入ったなと。僕はタレントをやりながら万博では生き物や自然を解説するインタープリター(森の案内人)としても働いて、勉強になったと思っています。

名古屋で「COP10」開催。生物多様性アドバイザーに

鉄崎:5年後の2010年には生物多様性に関する国際会議、通称COP10が名古屋で開かれて、僕は「生物多様性アドバイザー」に就任していろいろとやりました。

堀:地球温暖化サミットなども開かれましたね。

鉄崎:愛知万博はどちらかというと環境にいい経済という感じだったから「ついに環境保護、生物多様性の時代が来るぞ!」と思っていたら、翌年、「東日本大震災」が起こるわけですよ。だから、みんなそれどころじゃなくなっちゃったんだよね。自然の恐ろしさも感じたし。当然だけど、まずは人間の命が大事だってなりました。その時、強く感じたのは、環境保護って経済と心に余裕がないとできないってことです。貧しい国の国民が「環境保護なんかしている場合じゃない」って思うのも当然かなって思います。

堀:うんうん。

鉄崎:そして今、日本は川も海も昔よりきれいになったけど、逆にきれいになりすぎてアサリやイワシの稚魚は減った。これは非常に皮肉なことです。もう一つ、子供への環境教育は昔よりすごく行き届いていると思います。けれど、それはネットの知識で実際に自然の中で遊んでいる子はすごく少ないです。

身近な自然を守りたい

鉄崎:最も大きな問題は「地球温暖化」ですね。これはもう個人の力では何ともならない大きな課題。だから僕は、地球を救うなんて大きなことはとても言えないし、正直どうにもならないところまで来てると思っています。

人口が100億人を超える頃にはしっぺ返しがあったり、自然淘汰が始まったりする。でもその頃僕はもう生きていないから、身近なことだけ見ていこうと思っています。身近な自然だけは守っていきたいし、大事なものは伝えていきたい。それしかできることがないからね。そんな風に60年をふり返ってみた、きょうの「クローズアップ生き物」でした。

※2024年5月13日にSBSラジオ「鉄崎幹人のWASABI」で放送したものを編集しています。鉄崎さんが愛する自然や生き物について語る「クローズアップ生き物」のバックナンバーはPodcastで聞くことができます。

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