群馬県立自然史博物館は16日、安中市と宇都宮市で発掘されたヨウスコウカワイルカ科の化石が新属新種と判明したと発表した。安中市の化石は約1100万年前のもので、同科の化石では世界最古。これまで同科の化石は北米の太平洋側でしか見つかっておらず、同博物館は「北米からアジアに移ってきたと考えられてきたが、アジア起源の可能性が出てきた」と話している。
ヨウスコウカワイルカは中国・揚子江の淡水域に生息する珍しいイルカで、2000年代当初以降は確認例がなく絶滅したとされている。安中市の化石は1995年に同市の愛好家の中島一さんが碓氷川河床で、宇都宮市の化石は2012年3月に当時同市在住の中学3年生だった浜田幸典さんが鬼怒川河床で発見した。
いずれも頭頂部の化石で宇都宮産はくちばしの一部が付いており、安中産は同じ個体の耳が見つかっている。くちばしの骨の付け根のくびれなど同科の特徴を持つ一方、口の裏のくぼみの空間が小さいなど他属にない特徴があり、新属であることが分かった。体長は約2・2メートルで、発見場所の他の発掘化石から、当時は海で生息していたとみられる。研究論文が3月に日本古生物学会発行の学術雑誌に掲載された。
従来は米カリフォルニア州で見つかった約1千万年前の化石が最古とされていた。宇都宮産はこの年代のものだった。イルカ・クジラ類の新種発見は群馬で4例目、栃木では初。
宇都宮産の標本は栃木県立博物館が収蔵。両館で18日から化石の特別展示が始まり、それぞれの県産出化石の実物と、もう一方の県のレプリカを展示する。
会見した群馬県立自然史博物館の木村敏之学芸員と真鍋真特別館長(国立科学博物館副館長)は「海洋から淡水環境へどう適応したのかの解明につながる発見。イルカやクジラの進化に思いをはせて見学してほしい」と話した。(羽物一隆)
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