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Wednesday, June 5, 2024

天空の爽回廊「四国カルスト天狗高原自然休養林」 | MAY 2024 | HIGHLIGHTING Japan - 政府広報オンライン


天狗高原自然休養林内のセラピーロード Photo: Ishizawa Yoji


石灰岩が突き出ている四国カルストの風景 Photo: Ishizawa Yoji

日本列島の南西部に位置する四国地方。そのほぼ中央に標高約1,000mから1,500mもの高地に位置する「四国カルスト」が東西25㎞にわたって続いている。カルストとは、石灰岩などでできた地形のことで、雨などによる浸食で石灰岩が地表に現れているのが特徴だ。その四国カルストの東端には広大な森「天狗高原自然休養林」があり、森の中にはセラピーロードが通っている。そのガイドを務める掛水一彦(かけみずかずひこ)さんに話を聴いた。

標高1,485mに位置する、高知県津野町(つのちょう)の〝天空の爽回廊“とも称される「四国カルスト天狗高原自然休養林」は、森林セラピー基地*にも認定された原生林だ。掛水さんは天狗高原のホテル「星ふるヴィレッジ TENGU」で「天狗高原セラピーロード」のガイドを務めている。

「天狗高原は日本の三大カルストの一つ、四国カルストにあります。四国カルストは、2億5千万年前頃に海底から隆起してきた石灰岩が長年の雨水や地下水によって浸食されてできた特殊な地形です。愛媛県と高知県をカルストがベルトのように約25km横断しているのが大きな特徴で、この天狗高原自然休養林は四国カルストの東端にあり、標高が高く、眺望が良いことで知られています」


セラピーロードの起点となる「星ふるヴィレッジ TENGU」Photo: Ishizawa Yoji

四国カルストのほとんどの地域は、高い台地上で広大な草原だ。よく羊の群れに例えられる石灰岩が露出し、牧場もあり、牛がのんびりと草をはむ様子をみることもできる。その東、天狗高原自然休養林は、草原とは異なる原生林の広大な森ならではの四季折々の自然体験ができることが特色だ。現在、自然休養林の中には「セラピーロード」と認定された散策コースが複数あり、それぞれ趣(おもむき)が異なった散策を楽しむことができる。一番人気があるのは「四国の道コース」だ。天然記念物に指定されている大引割(おおひきわり)と呼ばれる岩の裂け目まで往復5時間程度の散策路だが、掛水さんは「道中が険しすぎるので、すべてを一度に歩くとセラピーにならないと考え、四国の道の中でも特にヒノキのウッドチップを敷き詰めているゆるやかな1km程度のコースをご案内しています」と話してくれた。


ヒノキのウッドチップが敷かれている遊歩道 Photo: Ishizawa Yoji

「高原のふもとにヒノキの製材所にあって、木材を粉砕した際に出てくるチップの香りに私自身が癒されていました。そこで、遊歩道にチップを敷き詰めたらどうかと提案したところ、案が採用されウッドチップを敷いたセラピーロードが生まれました」

ウッドチップは定期的に入れ替えて、来訪されるかたに、新鮮なヒノキの香りを楽しんでもらっている。ガイドツアーの参加者には往復約2kmを約1時間かけてゆっくりと歩いてもらい、じっくり自然との対話を楽しんでもらうのだそうだ。


四国の道コースの様子 Photo: Ishizawa Yoji

「お客様に、何キロ歩いたら効果的ですか?とご質問をいただくことも多いですが、森林セラピーは森の中に一歩踏み入れるだけで十分な効果を実感できると答えています。ウッドチップのふかふかした感触や、早朝の野鳥たちの鳴き声、さまざまな種類の木の手触りなど、自分の五感を使って、自分の中に自然を体の中に取り込むことを意識してみてほしいです。

このようにここの自然休養林の中は、癒しであふれています。ぜひ、機会があれば、四国カルストの高原とともに原生林の散策を楽しみにいらっしゃってください」


セラピーロードで5月に見られるトサノミツバツツジの花(ツツジの一種) Photo: Ishizawa Yoji


* 森林セラピー実行委員会(林野庁、公益社団法人国土緑化推進機構、一般財団法人日本ウエルネス協会で構成)が進める森林セラピー基地構想に基づいて認定されている。


By Morohashi Kumiko
Photo: Ishizawa Yoji

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