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Thursday, September 16, 2021

自然と共存 叡電再出発…18日、1年2か月ぶり全線復旧 - 読売新聞

 九州を中心に深刻な被害をもたらした「令和2年7月豪雨」の土砂崩れで一部区間が不通となっていた叡山電鉄(左京区)が18日、約1年2か月ぶりに全線復旧する。山あいの路線が相次ぐ豪雨災害に見舞われる中、沿線の倒木や間伐材をシイタケ栽培などに活用してきた。「自然との共存」を合言葉に新たな一歩を踏み出す。(坂戸奎太)

 叡山電鉄は、叡山本線(約5・6キロ)と鞍馬線(約8・8キロ)がある。窓の大きな展望列車が走り、観光客にも人気の路線だ。

 昨年7月。京都市などでも家屋の半壊や床下浸水といった被害を出した激しい雨の影響で、鞍馬線の貴船口駅近くの斜面が高さ約110メートル、幅約60メートルにわたって大規模に崩れた。線路上に約330トンの倒木と、約1500立方メートルの土砂が積もり、信号通信ケーブルも損傷した。

 叡山電鉄は、鞍馬線市原―鞍馬間(3・5キロ)を運休。土砂の撤去や設備の工事を進める一方、府が崩落した斜面をモルタルで固める治山工事を行うなどして再開にこぎ着けた。

 運行できない間、大切にしてきたのが自然を活用することだ。周辺は森が多く、年間を通して湿度が高く涼しいことに目をつけ、2017年から沿線の間伐などで得たクヌギやコナラの木でシイタケを栽培。18年に初収穫すると、乾燥させて1袋60グラムで駅で販売し、「肉厚でおいしい」と話題を呼んだ。

 この1年間も社員10人ほどが関わり、約750本の原木で栽培して販売。50袋を購入してくれる団体もあった。さらに、運休をもたらした大雨で被害を受けた木を含む約150本も新たに原木に加えることを決め、来秋の収穫に向け世話を続けている。

 今回の運行再開に合わせて社員で話し合い、「災害を忘れず、無駄にしないように」と倒木で駅の看板を制作した。木皿も手作りし、乗客にプレゼントする。

 運休にコロナ禍が重なり、路線の利用者減は顕著だ。コロナ禍前は年間750万人以上が利用したが、20年度の乗客数は約455万人と前年度の6割以下。シイタケ販売の利益は災害による損失を埋めるほどではなく、運行再開後も経営面で厳しい状況が続く。

 18年にも台風21号による倒木などの影響で1か月以上に及ぶ運休を余儀なくされた。総務部の泉水晃課長は「災害の脅威と隣り合わせである一方、豊かな自然に恵まれていることを再認識する機会になった。また、多くの観光客を迎える日が来ると信じて、安全運転を続けたい」と話している。

 鞍馬駅近くに住む自営業渡辺伊織さん(68)は「買い物や病院に行くのに不便が続いていた。やっと動くんや」と運行の再開を心待ちにしていた。

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