強い温室効果があるとされる「メタン」の大気中の濃度が去年、2010年以降で最も高くなり、前の年からの上昇幅も最大となったことが人工衛星の観測で分かりました。研究者は、人為的な要因よりも自然現象に由来していた可能性があり、今後、削減対策を検討するうえでは自然由来の排出も考慮する必要があるとしています。
「メタン」は、田んぼなどの湿地にいる微生物から作られるほか、牛のゲップや化石燃料の採掘などで排出されていて、二酸化炭素のおよそ30倍の温室効果があるとされています。
温室効果ガスを観測している日本の人工衛星「いぶき」のデータによりますと、去年1年間を平均した地球全体の大気中のメタンの濃度は1857ppbでした。
2010年の観測開始以降毎年、上昇を続け、去年は最も高い濃度となり、おととしと比べた上昇幅も17ppbと、これまでの平均の2倍に上り最大になったということです。
「いぶき」の分析を行っている国立環境研究所の伊藤昭彦室長は「去年は新型コロナウイルスの影響で経済活動が停滞していたため、自然の変動が主な要因だった可能性がある」としています。
そのうえで「人為的な排出を削減していくのが基本だが、今後は、自然変動によって濃度上昇が起きることも考慮して削減の計画を立てていく必要があるのではないか」と指摘しています。
大気中のメタン濃度 観測開始以降で最高に 自然由来の可能性も - nhk.or.jp
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