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Wednesday, October 19, 2022

自然環境に出ると自己分解する「タイマー付き」プラスチック - Newsweekjapan

<イギリスのベンチャー企業が、新しい発想の生分解プラスチックを開発した。回収されずに環境に流出したときは、2年以内に自己分解させる時限爆弾のような技術だ>

英国ロンドンに本社を置くスタートアップ、ポリマテリアは、環境中に流出したプラスチックを自己分解させるソリューションを開発した。

同社の独自技術をプラスチック樹脂の製造過程に組み込むことで、プラスチックのリサイクルを可能にし、自然環境に入り込んだ場合には次善策として生分解させるというものだ。

国際連合の試算によると、世界では毎年4億トンのプラスチック廃棄物が発生している。そのうち32%が回収されずに自然環境に入り込み、年に数百万トンが海に流れ込んでいる。

これらのプラスチックが環境中で分解される過程で放出される有害物質とマイクロプラスチックは、環境を汚染し、動物や人の体に取り込まれる。

この問題を回避するため、堆肥化できる生分解プラスチックが使われることもある。しかしこれは通常耐久性が低く、リサイクルができない。ポリマテリアの広報担当者リーパ・オルサウスカイトは本誌の取材に対し、「リサイクル可能なプラスチックには安定性が必要だ。従来の生分解プラスチックはすぐに分解してしまい役に立たなくなるが、そうではなく安定して形を留める必要がある」と説明する。

自己分解の秘密

また、従来の生分解プラスチックはほかのプラスチックとは性質が異なるため、別々に回収する必要があり、新たな処理インフラが必要になる。またほとんどの場合、完全に分解するためにはかなりのエネルギーを消費する。「プラスチックを堆肥化するには、非常に高い温度が必要だ」とオルサウスカイトは話す。

ポリマテリアの生分解性製品は、このようなエネルギーを必要とせず、ほかのリサイクル可能なプラスチックと同じに扱うことができる。「当社のバイオトランスフォーメーション技術でつくられた製品は、時間制御されたリサイクルが可能だ。たとえ自然環境に入り込んでも、2年以内に生分解され、有害物質やマイクロプラスチックが残らない」とオルサウスカイトは説明する。

この技術を用いることで、世界のプラスチック汚染を助長することなく、できるだけ長くプラスチックを流通させたいというのがポリマテリアの願いだ。

「プラスチックの分解を促進するには、太陽、空気、水が必要だ」とオルサウスカイトは話す。同社のバイオトランスフォーメーション技術を用いたプラスチックは、食器棚や食器洗い機などで使われるうちはこの条件がそろわないので、プラスチックはプラスチックのままだ。しかし、自然環境に入り込んで太陽、空気、水がそろうと分解が始まり、微生物が食べられるワックス状の汚泥(スラッジ)に変化する。

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