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Friday, June 16, 2023

屋久島で消えた希少種の自生地 自然遺産の周辺で何が - 毎日新聞

西部林道の照葉樹林=鹿児島県屋久島町で2023年4月21日、宮武祐希撮影

 鹿児島県・屋久島の中で、世界自然遺産に登録されているのは島の面積の5分の1程度だ。島内には希少な動植物が生息しているが、自然遺産に含まれなかった地域で深刻な事態に直面している種があるのだという。自然遺産の周辺で何が起こっているのか。

 この連載は全3回です。
 このほかのラインアップは次の通りです。
 第1回 山は荒れたのか・屋久島の30年
 第2回 「山のトイレ」問題、解決道半ば

希少種が消滅の危機

 屋久島東部に位置する愛子岳(標高1235メートル)のふもと、椨川(たぶがわ)流域に広がる照葉樹林。島を訪れた4月中旬、カシやシイなどが一斉に芽吹き、美しい新緑のグラデーションを織りなしていた。うっそうとした森に入ると、落ち葉が重なる足元に生える草丈10センチにも満たないシダ類など、多様な植物が目に飛び込んできた。

 この森の中では、自然遺産登録地域と登録外の地域が混在している。2015年、登録外の地域で新種のラン科植物「タブガワムヨウラン」や、日本国内ではそれまで見つかっていなかった「タブガワヤツシロラン」が相次いで発見された。いずれも光合成をせず、キノコなどの菌類から養分を得る「菌従属栄養植物」と呼ばれる希少種だ。

 「生物多様性の豊かさを象徴するこうした希少種が今、消失の危機にひんしている」。屋久島…

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