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Wednesday, August 30, 2023

こちら移動支局 地域に生きる~酒田・飛島(1) 人を呼ぶ豊かな自然 - yamagata-np.jp

2023/8/29 21:27

酒田港と飛島をつなぐ定期船とびしまから見た島の景色。島民は200人に満たないものの、動植物や地質学的魅力は多くの交流人口を生んでいる=酒田市

 本紙記者が県内各地の過疎集落に入り、その地の魅力を再確認しながら課題と向き合う「移動支局」の第4弾は、本県唯一の有人離島・飛島(酒田市)に開設する。県内でも特に高齢化の進む地でありながら、若者たちの奮闘が島を支えている。雄大な自然、島独自の文化も伝えていく。

 定期船とびしまに揺られる、甲板に出ると、ホットケーキを横から見たような島が水平線に現れた。本県唯一の有人離島・飛島だ。酒田港から1時間15分、勝浦港に着くと、宿の名前入りの垂れ幕を持った民宿の経営者が観光客を出迎える。生活は定期船に支えられており、食材など生活物資を運び込む島民の姿も見られた。

 旧飛島村は1950(昭和25)年に同市と合併した。勝浦、中村、法木の3集落がある。人口は1940(昭和15)年の1788人がピークで、進学率の高まりから島外への流出と少子化が急速に進んだ。2020年国勢調査では、96世帯158人が暮らし、高齢化率は77.2%だ。

 ただ、豊かな島の自然は多くの交流人口を生み出している。春と秋には野鳥観察で多くの人が長期滞在し、タイやメバルを狙う釣り人も訪れる。島全体が鳥海国定公園の一部を形成し、酒田市、遊佐町、秋田県のにかほ市、由利本荘市で構成する「鳥海山・飛島ジオパーク」の一つでもある。ジオパークは地質学的に貴重な地形や地質を備えた自然公園だ。

 島の地域振興に取り組む合同会社とびしまの役員で、設立当初から観光ガイドを務める小川ひかりさん(34)に案内してもらった。まず向かったのは島西部のゴトロ浜。約20メートルの高い岸壁は、海底火山の噴出物が幾重にも層を作り、島ができた過程を見ることができる。所々に青緑色の石が散らばっている。「緑色凝灰岩」で、火山灰が堆積してできたものだという。

 海岸沿いの遊歩道を南下すると、大量の丸石が転がる「賽(さい)の河原」やロウソクの形に似た「ローソク岩」がある。波が織りなす不思議な造形美を多く見られるのも魅力だ。北東部の巨木の森」には、高さ4メートル超のクロマツをはじめ、タブノキやアカマツなどが群生している。この日の島の最高気温は33度。海岸沿いとは打って変わって木の葉が日差しを遮り、暑さをしのぐことがことができた。

 残念ながら海岸ではペットボトルなどのごみが打ち上げられている所もある。同社では、環境問題について考え、清掃活動と観光を組み合わせたクリーンツーリズムを行っている。「今年も数回やっているけれど、ごみはまだなくならない」と小川さん。美しい景観は、多くの人たちの努力が保っている。

関連写真

酒田支社・井上萌々子

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