日本最初の世界自然遺産、屋久島(鹿児島県)と白神山地(青森、秋田両県)に、1993年12月11日の登録からちょうど30年の月日が流れた。
「洋上のアルプス」とも呼ばれ、樹齢数千年にもなる屋久杉や森を覆うコケ類の作り出す緑の世界が、天候や時刻により刻々と表情を変える屋久島。
日本最大級の原生的なブナ林が広がり、この国の原風景とも言える大パノラマが四季折々の色彩美を見せる白神山地。日本の北と南に位置する二つの地域は、長い時間をかけて独自の生態系を築き上げてきた。その懐に生きる人々は、豊かな恵みを受けながら暮らしている。
樹齢7200年とも言われる縄文杉など、今は環境保護のシンボルとなった屋久島の杉。
過去には過伐採により山肌があらわになるほどの危機に陥った。白神山地も、現状の厳しい立ち入り規制を続けるか、エコツーリズムなど観光活用の幅を広げるか、保護と利用のバランスに悩む。
様々な課題に直面することはあっても、太古からつながる悠久の命の営みが止まることはない。人々もまた、その力を畏れ敬いながら、自然と共に生き続ける。(写真と文・天地人取材班)
※世界自然遺産登録から30年を迎えた屋久島と白神山地の四季折々の表情や、そこに生きる人々を紹介する読売新聞の連載「天地人」の写真展が、本日12日から、東京・大手町の読売新聞ビル3階で始まります。本紙写真記者がこれまでに撮影した多くの写真の中から、えりすぐりの作品を展示します。入場は無料。午前10時~午後5時半、土日祝日休み。2024年3月末まで(年末年始と2月に休止期間あり)。
屋久島・白神山地の自然遺産登録30年、太古から続く営み四季は巡る - 読売新聞オンライン
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