「自然共生サイト」の認定が法制化され、企業に認定書や証明書が発行される。海外で始まった生物多様性クレジット売買の動きに遅れない備えが必要だ。
2024年4月、企業による生物多様性の保全地域「自然共生サイト」の認定を法制化する「生物多様性増進活動促進法」が成立した。
自然共生サイトとは、国連が定める生物多様性の世界目標の1つ、「陸と海の30%保全」(30by30)に貢献する地域のことだ。国連は保護区だけでなく、企業が所有・管理する緑地など「民間と連携した自然環境保全(OECM)」地域も該当するとしている。このため日本政府はこうした地域を23年度から「自然共生サイト」として認定。日本製紙やトヨタ自動車の社有林や、サントリーグループの「天然水の森」など既に184カ所が認定を受けた。
法制化で自然共生サイトに国のお墨付きを与え、農地や都市での活動も進めやすくした。国は認定地を順次、国連のOECMに登録していく。
ここで課題になるのが企業に認定のインセンティブをどう与えるかだ。認定地が本業と関わる企業は、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)開示で世界目標への貢献とビジネス機会を説明しやすい。認定地から産出される製品のブランド価値も高められる可能性がある。
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企業の自然保全に国が証明書 海外先行、将来の国際ルールに備え - 日経ビジネスオンライン
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