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Wednesday, July 17, 2024

KDDIが藻を精密に測る水上ドローン開発 自然の定量化に商機あり - 日経ビジネスオンライン

自然の損失を止めて増やす経営に舵を切る――。世界目標「ネイチャーポジティブ」に向けて、企業の経営ががらりと変わり始めた。自然を大切にする社会・経済は2030年に47兆円の市場機会を生む。資源のリスクを減らし、増やす経営は、株価やPBRを上げ、企業価値を高める。ネイチャーポジティブの実現は、もはや環境の課題ではなく、中核の経営課題になった。生物多様性のビッグデータで新規ビジネスを始めるスタートアップも出現した。投資家は自然の取り組みに目を光らせ、有望企業への投融資を加速させている。時代のうねりをつくり出しているのは、欧州をはじめとする規制やルールだ。ネイチャーポジティブを進める先駆者たちが、企業価値向上に奮闘する。

<特集全体の目次>
低PBRの水産業でニッスイが1倍超え 漁業と養殖で資源獲得を訴求
キリン、ブドウ畑で生物保全と炭素固定 ワインの価値向上狙う
KDDIが藻を精密に測る水上ドローン開発 自然の定量化に商機あり
・投資家が自然に着目、共同で経営者に迫る トヨタや日産も照準に
・TNFD・ISSB・SBTN…一目で分かる企業を動かす自然の規制・ルール

DXでスタートアップが挑む新市場
自然の定量化に商機あり

生物多様性の向上を経営に生かすには、生物資源の定量化が不可欠だ。新市場をつくり出そうと、スタートアップがAIやスマホ、ドローンなどのDX技術で挑む。

 生物多様性の向上を経営に生かすには、生物資源の定量化が欠かせない。従来、自然を対象とした定量化は情報収集の手間や精度の低さが問題となっていた。こうした課題に着目し、人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)といった技術を活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)により、自然を定量化するスタートアップ企業が登場している。

眠れる論文をビッグデータに

 今まで自然の定量化につながるデータがなかったわけではない。特に学術分野では生物の分布に関する調査が盛んに行われてきた。だが、学術論文のデータは一般の企業にとって利用しにくく、経営に生かすことは難しかった。

 そこで、膨大な学術データをまとめ地図として可視化したのがシンク・ネイチャー(那覇市)だ。様々な生物について分布を調べた論文のデータを集約してAIによって分析し、1km四方の領域ごとに生物がいるかを判定して分布を示す。同社は生態学を専門とする琉球大学理学部教授の久保田康裕氏が起業した。生物学などの学術分野で培った知見やスキルの産業活用を目指す。

シンク・ネイチャーによる日本の生物多様性地図。日本全土を1km四方の領域に分割し、動植物の種ごとの分布地図を重ね合わせて生物多様性の状況を可視化した 出所:シンク・ネイチャー

シンク・ネイチャーによる日本の生物多様性地図。日本全土を1km四方の領域に分割し、動植物の種ごとの分布地図を重ね合わせて生物多様性の状況を可視化した 出所:シンク・ネイチャー

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 地図はインターネットで無料公開しているが、「公開するだけでは事業者に利用されない」(久保田氏)。そこで同社では企業を対象にサプライチェーンの自然リスク評価や情報開示の支援、自然再生・保全効果の評価、土地開発における環境影響評価の支援などを展開する。

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