半日でも気軽に自然を満喫できる、東京近郊の丘陵ハイキング【前編】
2022年12月07日(水)
秋から春が最適期!たまにはのんびり丘陵歩きもいかが?
秋から冬にかけての時期、高い山は雪が積もり限られた登山者のみの世界となるが、標高の低い山はベストシーズン。空気が澄んで視界もよく、天気がよければ陽だまりも心地よい。今回は低山よりもさらに標高を下げ、東京近郊の丘陵地帯に目を向けてみたい。
熟達者には物足りないかもしれないが、高低差が少ないので膝にもやさしく、歩行時間も短めなので半日でも十分楽しめる。気軽に自然を楽しみたいという初心者でも歩きやすい。里山風景や街並みの展望、寺社・史跡めぐりのほか、時には地元ならではの一品など、山歩きとは違った意外な魅力を発見できるかもしれない。
ただし、丘陵とはいっても、気を付けたい点もある。生活路や作業道などの分岐道が多いので、道迷いに注意してこまめに現在地確認をしよう。また保全地域や私有地もあるので、コース外には立ち入らないように。春は花々、初夏は新緑、晩秋は紅葉、冬は落ち葉踏みと、四季を通じて楽しめるが、夏はとても暑く、ハチなどの生物が活発なため避けたい。冬は日が短いので早めの行動を心がけ、ヘッドライトは忘れずに。
Vol.1
なだらかな尾根道をたどり、城跡の遺構を訪ねる滝山丘陵(八王子)
滝山丘陵は八王子市加住地区に連なるなだらかな丘陵で、一帯が都立自然公園に指定されている。丘陵の東側、国道16号沿いの入口からハイキングコースに入り、滝山城跡に向かって進む。なだらかで、とても歩きやすい。古峯ヶ原園地を過ぎて進んでいくと、やがて滝山城跡。地形を利用して作られた曲輪や堀跡などの遺構が残っている。春は桜が美しく、都内でも有数の名所だ。
(写真/masa.aさん)
中の丸で多摩川方面の展望を楽しみ、木橋を渡って本丸へ。帰路は本丸から石畳を下り、車道をたどって高月の田園地帯を通って東秋留駅方面に向かうが、滝山城跡から南側に向かい、道の駅八王子滝山に寄って、八王子駅方面に向かうのもよい。
(写真/あーさん)
行程・ルート
【日帰り】 総コースタイム: 3時間10分
■ 総歩行距離: 10,000m 上り標高: 168m 下り標高: 146m
昭島駅・・・ハイキングコース入り口・・・古峯ヶ原園地・・・滝山城跡・・・東秋川橋・・・東秋留駅
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Vol. 2
段丘から玉川上水取水堰を見下ろす羽村草花丘陵(羽村・あきる野)
羽村草花丘陵は多摩川の西岸に段丘状に連なり、一帯が都立自然公園となっている。草花という可愛らしい名前は、付近の地名に由来する。市街地歩きやゴルフ場があり、街の雰囲気から抜けきれないが、丘陵上からは羽村の街並みや多摩川、玉川上水取水堰の見晴しがよい。
福生駅から出発し、多摩川を渡って草花神社へ。雑木林を歩き、ほどなく大澄山に着くが展望はない。なだらかに下って竹林を過ぎ、都道の交差点を渡って路地を進むと、丘陵一帯に広がるゴルフ場の脇に出る。ここから浅間岳まで、ゴルフ場沿いをたどる。所々展望が開け多摩川方面が見えるが、東側は崖なので近づかないよう注意しよう。
春はツツジも美しい
本コース最高地点、浅間岳(235m)に着く。山頂の目の前にゴルフ場があるのは、都市部の丘陵独特の光景だ。ここから羽村側に下る。途中の羽村神社からは市街地が一望のもと。滑りやすい道を下って羽村市郷土博物館に到着。郷土資料のほか、羽村出身の中里介山についての資料も展示されているので、ぜひ立ち寄っていこう。多摩川を渡り、玉川上水の羽村取水堰を見学し、羽村駅へと向かう。
行程・ルート
【 日帰り 】 総コースタイム: 2時間50分
■ 総歩行距離: 6,800m 上り標高: 323m 下り標高: 309m
福生駅・・・下草花バス停・・・大澄山・・・ゴルフ場分岐・・・浅間岳・・・郷土博物館・・・羽村駅関連する登山記録
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Vol. 3
多摩丘陵の原風景と歴史薫る小野路から、よこやまの道・防人見返りの峠へ(町田)
町田市北部の小野路町一帯には、多摩丘陵の懐かしい里山風景や豊かな自然が残っている。小野路からよこやまの道をつなぎ、防人見返りの峠・諏訪ヶ岳を目指す。
近藤勇も通ったと言われる布田道、関谷の切り通し
小野神社前バス停で下車、里山交流館から北に向かい標識に従って路地を進むと、竹林の静けさに包まれた関谷の切通しに出る。この道は布田道(ふだみち)と呼ばれ、かつて新選組の近藤勇らが剣術の出稽古のために通っていたと言われている。
時間があればちょっと寄り道。
里山風景が広がる「奈良ばい」の谷戸
来た道を戻り、通りを渡って田畑や牛舎を横目に森に入っていく。分岐に注意しながら進むと、小野路城跡にたどり着く。小さな社があるだけの静かな丘である。小野路城跡を後に、東京とは思えない豊かな雑木林の中を北に進んでいく。途中、里山風景が広がる谷戸「奈良ばい」への分岐を過ぎ、田畑を抜け、車道に出て多摩市境からよこやまの道に入る。
舗装路歩きを交えながら、道標に従って一本杉公園、妙櫻寺脇の尾根道をたどる。緑道をしばらく歩けば、防人見返りの峠に到着。多摩ニュータウンの街並みと、富士山や丹沢、奥多摩方面の眺めがよい。諏訪ヶ岳を経てよこやまの道をさらに進み、丘の上広場から小田急線はるひ野駅、もしくは京王線若葉台駅に向かう。
行程・ルート
【 日帰り 】 総コースタイム: 2時間55分
■ 総歩行距離: 9,200m 上り標高: 379m 下り標高: 355m
里山交流館・・・関谷の切通し・・・小野路城跡・・・奈良ばい分岐・・・中坂公園裏・・・一本杉公園・・・防人見返りの峠・・・諏訪ヶ岳・・・さくらの広場・・・丘の上広場・・・はるひ野駅関連する登山記録
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Vol. 4
都内有数の里山緑地と古刹をめぐる横沢丘陵(あきる野)
武蔵五日市駅の北東に、豊かな自然環境と里山風景が保たれた横沢入という里山保全地域がある。それを取り囲むのが横沢丘陵だ。丘陵の尾根上は樹林に囲まれ展望はあまりなく、アップダウンや分岐が多く、丘陵歩きとしてはやや玄人向け。その分、静かなハイキングが楽しめるだろう。
武蔵増戸駅からスタート。多くの文化財を有する古刹、大悲願寺を訪ねてから横沢入へ。広々とした谷戸に、貴重な里山風景が広がる。谷戸東側から道標に従って東側尾根へ。尾根の登りはじめは意外と急なので、ゆっくりと歩こう。
大悲願寺の重厚な仁王門。
あきる野市の文化財に指定されている
尾根上をしばらく行くと、住宅地の横に出る。急登を経て振り返ると、市街地の展望がよい。ここから先は視界のきかないアップダウンや屈曲のある道となるので、道を誤らないように注意。唐松山を過ぎ、大久野中への分岐を南へ。林道をまたいで天竺山にたどり着く。三内神社が鎮座する山頂からは街並みの展望がよく、ひと息つける休憩ポイントだ。
天竺山からの街並み。
遠くには東京サマーランドの観覧車が見える
山頂から東側に下った所には石切場跡の石山の池があるので、ちょっと立ち寄るのもよい。帰路は天竺山から南へ下り、三内神社の里宮とこぢんまりした五日市線の踏切を渡って、武蔵五日市駅に向かう。
行程・ルート
【 日帰り 】 総コースタイム: 2時間50分
■ 総歩行距離: 5,600m 上り標高: 351m 下り標高: 341m
武蔵増戸駅・・・大悲願寺・・・横沢入・・・住宅地側入口・・・唐松山・・・分岐・・・天竺山・・・三内神社・・・武蔵五日市駅関連する登山記録
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Vol. 5
レトロな青梅市街から、展望抜群の赤ぼっこを目指す長淵丘陵(青梅)
青梅市の南、日の出町との境に連なる長淵丘陵。独特な名前の赤ぼっこは、展望が抜群。丘陵ハイキングとしては、ややアップダウンがあるコース。
青梅駅からレトロな街並みを過ぎて、天祖神社へ。神社の脇からハイキングコースに入る。霊園上部をかすめ、いくつか分岐道を合わせてさらに登っていくと、旧二ツ塚峠に到着する。
開けた赤ぼっこの山頂には、1本の木が立っている
ここから西へ、見通しのあまりない尾根上の樹林帯を、柵沿いに緩やかにアップダウンしながら進む。馬引沢峠を過ぎて斜面を登り、赤ぼっこの分岐へ。すぐ先の赤ぼっこからは、高水三山や御岳山など奥多摩方面の山々をはじめ、梅郷や軍畑から都心方面までの街並みの展望がすばらしい。
愛宕山分岐から樹林の道を下る
展望を堪能したら次は天狗岩に向かうが、尾根分岐から天狗岩へは急な下りがあり、戻る際は登り返しがきついので、無理に寄らなくてもよい。天狗岩分岐から尾根筋を、要害山、造成地の脇を進む。愛宕山分岐を右に折れて麓に下り、車道を宮ノ平駅に向かう。
行程・ルート
【 日帰り 】 総コースタイム: 4時間50分
■ 総歩行距離: 10,500m 上り標高: 563m 下り標高: 541m
青梅駅・・・ハイキングコース入口・・・分岐・・・旧二ッ塚峠・・・馬引沢峠・・・赤ぼっこ・・・天狗岩分岐・・・天狗岩・・・天狗岩分岐・・・要害山・・・愛宕山分岐・・・ハイキングコース入口・・・宮ノ平駅関連する登山記録
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