秋田と青森にまたがる白神山地は2023年、世界自然遺産登録30年を迎える。白神山地の魅力を探るべく、白神の自然が味わえる秋田・藤里町の岳岱自然観察教育林を散策した。
自然アドバイザーが案内する白神山地
ガイドは、静岡県出身の25歳、白鳥万里さん。
この記事の画像(10枚)富士山のガイドをしている父親の影響で、幼い時から森に親しみを感じており、2022年、白神山地の自然アドバイザーに就任し、秋田・藤里町に移住してきた。
白神山地世界遺産センター・白鳥万里さん:
私自身、ブナの木が大好きで、白神山地といえばブナの森というイメージがあって、このブナの森で仕事したいなと思い、こちらにやってきた。白神山地は四季折々の表情が豊か。木の葉っぱが色づいてきたり、シダ植物が開いてきたり、キノコが出てきたり、表情が変わっていくのが楽しい
取材当日は、少し雨模様でもあったが、「ブナの森は傘いらずなどとも言われていて、雨を葉っぱで受け止めて、私たちは全然ぬれない」と雨ならではの魅力も教えてくれた。
岳岱はブナの原生林。散策を始めてすぐに見えてきたのは、比較的若いブナの森だ。
白神山地世界遺産センター・白鳥万里さん:
本来乾いているときだと、樹皮が白っぽくて、大体これくらいの樹齢のブナたちは“美人ブナ”などと、お年寄りも言ったりする。ブナの森はすごくきれいな明るい森になっています。木が曲がっていますが、これは若木の時、冬に雪の重みでたわんで倒れて耐えるので、たわんでは起き上がってを繰り返して、このようにくせがついています
若木から大木へ 時を感じる大自然
さらに進んでいくと、大きな木が見えてくる。このエリアのかつてのシンボルツリー“400年ブナ”の倒木跡だ。
白神山地世界遺産センター・白鳥万里さん:
ブナの寿命は長くて350年程度といわれているが、このブナは推定で樹齢400年ということで、本当に長く一生懸命に立っていた木だった
大きなブナが倒れた後にはスペースができ、そこから日の光が差し込み、コケやキノコ、若木など様々な命がそこからまた芽生えていく。
岳岱には大きな岩が点在する地域などもあり、様々な表情を見せてくれる。その中に見えてきたのは、かわいらしい若木だ。
白神山地世界遺産センター・白鳥万里さん:
これはブナの赤ちゃん。節があるが、おおむねその節の数で何歳かを推定することができる。これは3~4歳の木。3~4歳でこのサイズになり、それが70年くらいかけて大きなサイズになってきて、“400年ブナ”は400年かけてと思うと、ちっちゃい姿から、森がどんなに長い月日をかけて形成されたのか想像がつく
この若木が300年以上たつとブナの大木になる。岳岱の新しいシンボルツリーが”岳岱大ブナ”だ。
白神山地世界遺産センター・白鳥万里さん:
推定にはなるが、樹齢は350年は確実に超えている。見てもらいたいポイントはコケ。「苔(こけ)のむすまで」などと国歌にもあるように、コケがむすには長い年月がかかります。この木は上のほうまでコケに覆われているが、コケがむしているのはそれだけ長い間、ここに居続けている証でもあるので、コケが今後どういうふうになるのかも、ぜひ見てもらえれば
白神山地を次世代に伝える教育の大切さ
森の様々な息吹を感じられる白神山地。白鳥さんはその魅力を、特に若い世代に伝えたいと話す。
白神山地世界遺産センター・白鳥万里さん:
森はすごく寿命の長い大きな生命体なので、私たちの世代でどうにかとは片付けられないことだと思う。なので次世代、子どもたちに向けた教育であったり、価値・魅力を伝えていくことが、長い年月守っていくことにもつながると思うので、しっかりやっていかなければと感じている
(秋田テレビ)
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